2008.05.04.00.01
"Le Salaire De La Peur
directed by Henri-Georges Clouzot. With Yves Montand
こんな夢を観た。
小池栄子似の(でも胸は大きくはない)女性を後ろの荷台に乗せて、僕は必死になって自転車を漕いでいた。約束の時間までに彼女を、最寄駅に送り届けなければならないからだ。既に陽は中天に昇りつつあり、さっきまでびしょびしょに濡れそぼっていた僕たちの衣服はすっかりと乾き上がっていた。
否、自転車を漕ぎ続ける僕だけが、汗まみれになりつつあった。
本来ならば、大通りを疾り抜けるべきところを、最短距離を通り抜ける為に、細い路地裏つたいに駆け抜けてゆく。この辺りの路地という路地は知り尽くしている筈だから、迷う心配はない。
この路を左に曲がって、児童公園の中を突っ切れば、あとはほんの一寸だ。
ハンドルを左に斬った僕は唖然としてしまった。
路がない。
ちょうど、ここから大きく地面が陥没して、茶色く無惨な土砂が顔を覗かせている。
児童公園はなかった。
濃紺の制服を着た警官達がトウセンボして、元来た路へと戻る様に無言で促す。そして、僕達であると認めた瞬間、嫌らしい笑みを浮かべる。
彼らの態度の急変を無視して、すごすごと引き返していった。
夢は、実はその数時間前から始まっていた。
深夜、急に降り出した雨から避難する為に、僕は馴染みの店で暇を持て余していた。いつもは常連客しか立ち寄らないこの店も、そんな大雨のおかげか、いつになく満席だった。カウンター横の大テーブルでは、学生達が十名近く、大きな矯声をあげていた。マスターもいつにないオーダーの量をこなしながらも、今夜の売上を
期待しているのだろう、笑みをたたえていた。
おかげで僕もカウンターの隅で、ほんの少しばかりの肴のおこぼれに預かっているのである。
次第に興に乗った大テーブルの客達は、席を替え場所を移動し、カウンターも主戦場と化していく。どういう訳だか知らないけれども、いつのまにか、僕も彼らと同じ酒を呷り、同じ話題を語り合っていた。
雨は終電間際に止んだ。
雨の降り止むのをキリに、マスターがお愛想の支度を始め出す。この辺はうまいものだ。
既に出来上がって酔いつぶれた者も何人かいて、これまでの行きがかり上、駅まで彼らを担いでいく羽目になってしまった。マスターには「もう一度戻る」旨を伝えて、最も始末に負えない奴を、そいつの彼女と思しきオンナノコと一緒に抱え込んで歩き出す。
駅には着いた。着いたモノの、独り足りないと誰ともなく騒ぎ出す。ここから先は、知ったこっちゃないやと思って、お役御免な素振りを彼らに示して、元の店に戻ろうとする。
すると、ひとりのオンナノコがこっそりと僕に囁く。
「お店で待っていると思う。ただ、明日の朝までには解放してね」
そういう段取りになっているのかと、呆れるやら愉快になるやらで、また、降り出した雨の中を戻り始める。
雨は店に辿り着く前に再び激しさを増して、凄まじい勢いとなっている。
ふと、観ると、僕を店で待っている筈の彼女が、ずぶ濡れになって独り、佇んでいる。
それから僕達二人は、濡れてしまった互いの身体をさらに濡らしあう様にくっついて、あてもなく歩き出す。雨宿りしようにも、街の灯りは一切途絶えている。
この辺りには軒先といえる様なスペースは一切見当たらない。仕方がない。クルマが拾えるまで、歩き続けるとしよう。
僕達は無言で歩き続けた。それしかアテがないから。歩いて歩いて、遂に、交番を見つけるのだが、そこで遭遇した凄まじい光景は、残念ながら、ちょっとここでは書いてはいけない事になっている。
"Over At The Frankenstein Place"
sung by Janet Weiss(aka Susan Sarandon),Brad Majors(aka Barry Bostwick) and Riff Raff(aka Richard O'Brien)
from the movie"The Rocky Horror Picture Show
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