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2014.12.05.12.24

Violet

翌朝、遺体発見現場をふたたびおとずれた。
都心から約1時間、のどかな河川敷だ。

昨夜の大騒ぎとはうってかわったしずけさだ。規制線もすでにない。
パトカーが1台とまっている。なかではうさんくさそうにおれをながめているだろう。
やつらにひとこえ、かけてからはじめるのが礼儀だが、いや、それはもうすこしあとだ。

コートをしたにして、すわってみる。
こんなときのためにボトルはある。なかはお手製の烏龍茶だが。

下流には2本の鉄橋があって、時折、ごうごうと音をたてる。
そらはあおいが、そこをとぶものはいない。
しずかなあさだ。

めのまえをあかいボールがよぎる。ぽんぽんぽおん。こきみよいリズムで河原へところげおちていく。さぼりぐせのついたばかりのおれにはちょうどいいてあいだ。
もっさりとたちあがって坂をおり、砂利のなかのそれをひろいあげ、コートの場所へとまたもどる。
単純な作業だ。

あたまをあげると、持ち主がそこにいる。おれのてにはすっぽりとおさまるこれも、彼女にとってはだいじなたからものだ。両腕でうけとって、腰をかがめてくれた。

二言三言、彼女との会話をたのしもうとおもう矢先に、ばたんとおおきな音がした。

幼女にあやしいそぶりをみせる不審者、やつらにとって、ようやくカードがそろったようなのだ。

[the text inspired from the song "Violet" from the album "Live Through This" by Hole]


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