2014.11.02.10.05
こんな夢をみた。

the poster for the movie "They Live
" directed by John Carpenter
1月の最初の日曜日、明日から通常業務がまた始まる。天気もいいので近所の神社に参拝することにする。
三が日はとっくに終わったが正月気分は抜けきらない。だからといって、のびのびと冬の日曜日を満喫するわけにはいかない。そんな微妙な緩慢さが参道一帯にみちている。軒を連ねている露店のなかには片付けをはじめている見世もある。
いいおとなのおとこがひとりでふらひらしているのはみっともないが、だからといってよびだせるような相手はいない。もてあました閑をただ、潰しに潰すだけなのだ。
すると、いきなり背後からくびをつかまれてそのまま、たおされてしまう。犯人はよくしったおとこ、Hだ。
たおれた背中の反対側、むなぐらをつかんでこう叫ぶ。
「あの件は、どうなった。連絡がないぞ」
あの件とは、あたらしい企画の中心人物として彼を推した事らしい。
昨年末に、社の担当者と彼をひきあわせたばかりだ。予算がおりない事には、彼には連絡をしようにもないのだが、待っている彼としてはそうもいかない。短気なおとこなのだ。もうしびれをきらして、我慢の限界らしい。
ほこりをはらいながら立ち上がり、明日から皆、出社するから確認すると伝える。
もちろん、ではるつもりはない。担当者から彼宛に一報させるのだ。どうせ明日は仕事始めの顔合わせだ。なにも進んでいないのにきまっている。なにも進められないのに決まっている。詫びの電話でいいだろう。
彼とわかれて、鐘楼にのぼる。鐘楼といいながら、まるで教会の尖塔のようだ。石造りの階段をいくつもいくつも昇っていく。いくつも昇ったさきにある踊り場にでようとしたら、そこで口論の声が聞こえる。
さっきのHだ。しかも、今度は相手がわるい。お互いにとっての大先輩にあたるYともめているらしい。
こっそりと、このままみないふりをしておりてしまおうとした矢先に、見咎められる。
<断章>
昨日の件を、当の担当者であるN嬢に伝えようとした矢先に、ビルの外からおおきなサイレンが聞こえる。防音の、しかもビルの高層では聞こえるはずもないものだ。
フロアにいるだれもが我先にと窓にかけつけて下をのぞきこむ。
警察のトラックがサイレンを鳴らしながらビルの下を通り過ぎ、その先の十字路をひだりにまがる。そしてなりっぱなしのサイレンはそのままで、停車したようだ。ここからはなにもみえない。
したでは、野次馬が一目散にそこへと向かう。だが、だれもまがった先へいこうとはしない。
しばらくして、つぎからつぎへとひとがひだりのみちからでてくる。ひとばらいがおこなわれているようだ。
<断章>
N嬢は妊娠していて、しかもあなたのこだという。
身に覚えはないうえにだれのこなのかは、うすうす検討がついている。しかし、それをおおやけにできないわけもしっている。
だから、臨月まぢかの彼女につきそって、病院にいる。妻にも内緒だ。
体温、血圧、脳波、彼女の身体の状況がうつしだされるはずのモニターはいつのまにかチャンネルがきりかわり、昨日のニュースの続報を伝え続けている。医師も看護師もどこかへいってしまって、轟音と振動だけが断続的にふたりをおそう。
そのたびに彼女はぼくのうでをにぎりしめる。
青白い手術着のしたから、彼女のあおざめた乳房がのぞく。
<断章>
傷だらけのHを抱きかかえて帰宅すれば、妻はパソコンで仕事中だ。
Hに無造作に救急箱をなげあたえて、レンジにかけてあるシチューに火をつける。冷蔵庫をあけて、缶ビールにてをかけたところで、めがさめる。
妻とHの笑い声がまだきこえる。

the poster for the movie "Rosemary's Baby
" directed by Roman Polanski

the poster for the movie "They Live
1月の最初の日曜日、明日から通常業務がまた始まる。天気もいいので近所の神社に参拝することにする。
三が日はとっくに終わったが正月気分は抜けきらない。だからといって、のびのびと冬の日曜日を満喫するわけにはいかない。そんな微妙な緩慢さが参道一帯にみちている。軒を連ねている露店のなかには片付けをはじめている見世もある。
いいおとなのおとこがひとりでふらひらしているのはみっともないが、だからといってよびだせるような相手はいない。もてあました閑をただ、潰しに潰すだけなのだ。
すると、いきなり背後からくびをつかまれてそのまま、たおされてしまう。犯人はよくしったおとこ、Hだ。
たおれた背中の反対側、むなぐらをつかんでこう叫ぶ。
「あの件は、どうなった。連絡がないぞ」
あの件とは、あたらしい企画の中心人物として彼を推した事らしい。
昨年末に、社の担当者と彼をひきあわせたばかりだ。予算がおりない事には、彼には連絡をしようにもないのだが、待っている彼としてはそうもいかない。短気なおとこなのだ。もうしびれをきらして、我慢の限界らしい。
ほこりをはらいながら立ち上がり、明日から皆、出社するから確認すると伝える。
もちろん、ではるつもりはない。担当者から彼宛に一報させるのだ。どうせ明日は仕事始めの顔合わせだ。なにも進んでいないのにきまっている。なにも進められないのに決まっている。詫びの電話でいいだろう。
彼とわかれて、鐘楼にのぼる。鐘楼といいながら、まるで教会の尖塔のようだ。石造りの階段をいくつもいくつも昇っていく。いくつも昇ったさきにある踊り場にでようとしたら、そこで口論の声が聞こえる。
さっきのHだ。しかも、今度は相手がわるい。お互いにとっての大先輩にあたるYともめているらしい。
こっそりと、このままみないふりをしておりてしまおうとした矢先に、見咎められる。
<断章>
昨日の件を、当の担当者であるN嬢に伝えようとした矢先に、ビルの外からおおきなサイレンが聞こえる。防音の、しかもビルの高層では聞こえるはずもないものだ。
フロアにいるだれもが我先にと窓にかけつけて下をのぞきこむ。
警察のトラックがサイレンを鳴らしながらビルの下を通り過ぎ、その先の十字路をひだりにまがる。そしてなりっぱなしのサイレンはそのままで、停車したようだ。ここからはなにもみえない。
したでは、野次馬が一目散にそこへと向かう。だが、だれもまがった先へいこうとはしない。
しばらくして、つぎからつぎへとひとがひだりのみちからでてくる。ひとばらいがおこなわれているようだ。
<断章>
N嬢は妊娠していて、しかもあなたのこだという。
身に覚えはないうえにだれのこなのかは、うすうす検討がついている。しかし、それをおおやけにできないわけもしっている。
だから、臨月まぢかの彼女につきそって、病院にいる。妻にも内緒だ。
体温、血圧、脳波、彼女の身体の状況がうつしだされるはずのモニターはいつのまにかチャンネルがきりかわり、昨日のニュースの続報を伝え続けている。医師も看護師もどこかへいってしまって、轟音と振動だけが断続的にふたりをおそう。
そのたびに彼女はぼくのうでをにぎりしめる。
青白い手術着のしたから、彼女のあおざめた乳房がのぞく。
<断章>
傷だらけのHを抱きかかえて帰宅すれば、妻はパソコンで仕事中だ。
Hに無造作に救急箱をなげあたえて、レンジにかけてあるシチューに火をつける。冷蔵庫をあけて、缶ビールにてをかけたところで、めがさめる。
妻とHの笑い声がまだきこえる。

the poster for the movie "Rosemary's Baby
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