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2014.10.21.13.40

ぷろめてうすのひ

ギリシア神話 (Greek Mythology) の登場人物のひとり、プロメテウス (Prometheus) にはふたつのおおきな逸話がある。

ひとつは大神ゼウス (Zeus) との"智慧比べ (A Contest Of Wits)"の結果、人類 (Human Being) が死すべき宿命 (Mortal) となり神が永遠の生命 (Immortal) を授かった物語である。

この逸話に関しては詳しくはここでは触れないけれども、疑問に想う事をひとつだけ記しておく。
それは、ひとつ上の文章を読めば解ることなのだけれども、英語 (English) ではそれぞれをたったひとつの単語で象徴出来る事象を、日本語 (japanese) では、それを可能とする語句がない、と謂う事なのだ。
確かに不死 (Undead) に対しては死 (Dead) を対応させる事が出来るのだけれども [派生順では逆だが文脈の構成に従った] 、それは単なる状態の形容でしかない。
一番、簡単なのは一方の語句として、四文字熟語 (Four-character Idiomatic Compounds) の不老不死 (Eternal Youth And Immortality) に登場してもらうのがいいのだけれども、肝心の相方、つまり、不老不死 (Eternal Youth And Immortality) に一致して対応出来る語句が、どうしても見当たらない。
辛うじて、生者必滅 (All Living Things Must Die) と謂う四文字熟語 (Four-character Idiomatic Compounds) を登場させる事は出来るのだけれども、あまりにもそこに込められている宗教観が強く滲み出過ぎていて、抹香臭く、起用するのには抵抗感がある。
しかも、四文字熟語 (Four-character Idiomatic Compounds) の不老不死 (Eternal Youth And Immortality) は中国古来 (Ancient Chinese) からの神仙思想 (Taoism) や老荘思想 (Daojia) に出自がありそうな一方で、生者必滅 (All Living Things Must Die) は仏教 (Buddhism) から派生した無常観 (Sense Of The Vanity Of Life) に根ざしているモノだから、必ずしも正しい意味での反意語 (Antonym) として、あい互いに共存はしていない様にも想える。
結局、ぼくはインモータル (Immortal) とモータル (Mortal) の対比に際する、相応しい訳語を見出すことが出来ていないのだ。

閑話休題 (Get Back On Topic)。

そして、プロメテウス (Prometheus) の逸話のもうひとつが、人類 (Human Being) に火 (Fire) を与えたと謂うモノである。

火 (Fire) は未熟な人類 (Human Being) には、災厄をもたらすばかりの存在であるとして、大神ゼウス (Zeus) は人類に火 (Fire) を許さなかった。しかし、プロメテウス (Prometheus) はその戒めを裏切って、人類 (Human Being) に火 (Fire) を与えてしまう。

彼にその様な行動を促したのは、大自然のなかで活きる人類 (Human Being) があまりにも弱い存在であったから、としているが果たして、そうなのか。

彼はクロノス (Kronos) 傘下のティターン神族 (Titanes.html) の末裔であり、大神ゼウス (Zeus) 率いるオリンポス神族 (Olympians) とは敵対するモノだ。彼が大神ゼウス (Zeus) の許に降ったのは、ティターン神族 (Titanes.html) とオリンポス神族 (Olympians) との闘い、ティタノマキア (Titanomachy) の際に前者から後者へと寝返ったからなのだ。
だからと謂って、彼が大神ゼウス (Zeus) に終生、忠誠を誓ったのかと謂うと、必ずしもそうではないらしい。冒頭に挙げた"智慧比べ (A Contest Of Wits)"に於いても、大神ゼウス (Zeus) の寝首を掻こうとした気配があるのだ。
つまり、彼には常に、大神ゼウス (Zeus) とその一族への復讐心 (Desire For Revenge) があったのかもかもしれず、その為のひとつとして、人類 (Human Being) に火 (Fire) を与えようとした、と考えられなくもない。

ただ、彼の内心はどうあれ、大神ゼウス (Zeus) の許さざるコトを敢行したその結果、人類 (Human Being) は火 (Fire) を与えられ後の繁栄が約束された一方で、プロメテウス (Prometheus) には大神ゼウス (Zeus) からの厳罰が励行される。
そして、ギリシア神話 (Greek Mythology) 上ではこの後、火 (Fire) はパンドラ (Pandora) の逸話を生み、大神ゼウス (Zeus) の刑罰に苦しむプロメテウス (Prometheus) はヘラクレス (Heracles) の逸話を生む。

images
プロメテウス (Prometheus)』 by ジャン・デルヴィル (Jean Delville)

と、ざっくりと"プロメテウスの火 (Prometheus And His Gift Of Fire)"の逸話を観てみたわけだけれども、どうしてもぼくは『創世記 (Liber Genesis)』に登場する蛇 (Serpent) とプロメテウス (Prometheus) とを比較したくなってしまう。

人類 (Human Being) の智慧は外部からもたらされたモノであり、一方はそれを火 (Fire) で象徴している様に、他方は果実 (Fruit) に象徴させているのだ。
しかもそれに関わったモノは神 (God) からの厳しい裁きを受ける。
ただ、違うのは、智慧を受け取った側である人類 (Human Being) への処罰だ。
ギリシア神話 (Greek Mythology) では少なくともこの段階では人類 (Human Being) が無罪放免 (Not Guilty And Released) であるのに対し、『創世記 (Liber Genesis)』では楽園追放 (Paradise Lost) に象徴される厳しい処罰が待っている。そしてそれが、キリスト教 (Religio Christiana) 固有の原罪 (peccatum originale) と謂う概念を裏付けるモノなのだ。

恐らく、それらを踏まえてジョン・ミルトン (John Milton) は、人類をそこまで追い込む蛇 (Serpent) の性格付けが弱いと、考えたのに違いない。
少なくとも、彼にはプロメテウス (Prometheus) に相当する様な、さもなければそれを凌駕する様な、神 (God) に逆らうが為の復讐心 (Desire For Revenge) が必要ではないか、と考えた筈だ。その著『失楽園 (Paradise Lost)』 [作:ジョン・ミルトン (John Milton) 1667年発表] に於いて、蛇 (Serpent) を悪魔王サタン (Satan) =堕天使ルシファー (Lucifer) の化身としたのは、そこに理由があるのに違いない。

次回は「」。
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