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2014.09.12.09.06

Just My Imagination (Running Away With Me)

うみ
そら
なみのおと
かぜ
やしのき
たいよう
すなのしろさ
そこにいるのはこどもたちばかり

既に3日がたっていた。

そこにあふれかえっていた群衆もいまはいない。いつもとおなじ、じりじりとしたひざしばかりがてりつける。広場はもぬけのからなのだ。
こんな日はだれもそとにでない。
おのおのの家のうすくらがりにひきこもってただ、まずいさけをあびるだけだ。

そんな炎天にさらされながら、そのおとこはまだいきていた。
かれになぜ、刑がかせられたのか、だれもしらない。なにがかれの罪なのか、だれもしらない。

ただ、ときにして往々、みしらぬ旅人が獄吏にとりおさえられる。
そして、群衆のみまもるなか、さばきにかけられる。

さばきそのものは無慈悲だが、ときに滑稽だった。だから、おおくのひとびとが広場へとつめかける。

ものわらいのたねとなって砂漠に追放されるものもあれば、けだものたちの餌食になるものもある。
乞食女をあてがわれて夫唱婦随をちかわされるものもあれば、寡婦にむちうたれるものもある。

そのすべてはかみのみこころによってけっせられた。

かれは預言者だ。いや、そういうふれこみだった。ことの真偽はだれもしらない。
それはさばきにおいてはどうでもよいことだった。

かくて、かれは炎天にさらされつづけることになる。
広場にある石柱にしばりあげられ、こうして3日が経過した。

預言者は、それ以来ずっと、おのれのみているものをかたっている。
はたして、それは預言なのだろうか。

だがおりにふれ、ことばの端々にだれもしらないもの、だれもみたこともきいたこともないものが、あらわれるのだ。

[the text inspired from the song "Just My Imagination (Running Away With Me)" from the album "Sky's the Limit" by The Temptations]


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