this night wounds time, ばんど・えいど
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2014.08.26.11.48

ばんど・えいど

ジョンソン・エンド・ジョンソン (Johnson And Johnson) のガーゼ付き絆創膏 (Adhesive Bandage) の事でも書こうかと想ったけど、そうすると前回と似た様なナラティヴィティ (Narativity) にしかならない様な気がするので、今回は"似た様な名前の"音楽プロジェクトの事を書く事にする。

[この連載は本文として綴る内容よりも先に題名が決定されるシステムなので、何を語るのかと謂うよりもどうやって語るのかと謂う方が、重要なのだ。同じ論理展開、同じ思考過程を開陳しても何の為にも、否、ぼくの為にならない。]

バンド・エイド (Band Aid) はボブ・ゲルドフ (Bob Geldof) [当時ブームタウン・ラッツ (The Boomtown Rats) 在籍] とミッジ・ユーロ (Midge Ure) [当時ウルトラヴォックス (Ultravox) 在籍] が中心になって始動した1984年のプロジェクト、シングル『ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス (Do They Know It's Christmas?)』が唯一にして無比の発表楽曲だ。
同年のエチオピア (Ethiopia)に於ける飢餓 (Famines In Ethiopia) へのチャリティー・プロジェクト (Charity Project) として開始されたプロジェクトでありその募金を募る為に発表された楽曲だ。
後に続くUSAフォーアフリカ (USA For Africa : United Support Of Artists For Africa) のシングル『ウィー・アー・ザ・ワールド (We Are The World)』 [1985年発表] やそのライヴ・イヴェント版である『ライヴ・エイド (Live Aid)』 [1985年開催] を始め、後に続くチャリティー・プロジェクト (Charity Project) の嚆矢となった。

と、事実関係をざくっと纏めたところで、さて、これからどうしようかと考える。

勿論、このプロジェクトがもつ意義や意味や、その結果を書き綴って顕彰するのが、一番無難な筋道なのだろうけれども、そういう気分にはやはりなれない。1984年当時もそうだった。

images
中心人物のふたりがナニか、事を起こすのは勿論、彼らの勝手なのだけれども、何故、そこに数多くのミュージシャン [総勢41名:掲載画像はこちらから] を巻き込まなければいけなかったのだろうか。当時、某ミュージシャンが何故、やつらはバンドとして参加するんだろうね、と疑義を発していたのが印象的だ。
何故、エチオピア (Ethiopia) の飢餓 (Famines In Ethiopia) に対してのモノなのか [と謂ってもこれは同じ大陸の正反対の場所に位置づいたちいさな島に住んでいるモノならではの感想だが、だからと謂って彼らの足許にあるヨーロッパ (Europe) でさえいくつもの問題を抱えていた筈だ]。
エチオピア (Ethiopia) の難民 (Refugee) 達の救済を訴えるのに、何故、キリスト教 (Christianity) 出自の催し物であるクリスマス (Christmas) を引き合いに出すのか。
第一、曲がつまらない。

と、謂う様な実際にその為に行動している側のヒトビトが聴けば、酷い剣幕で怒鳴られそうなモノばかりが、感想として浮かぶ。
1番最後のモノはその最たるモノかも知れないが、音楽を聴くモノにとっては逆に、そちらの方が最重要なモノなのだ。
だから、ぼく達は事ある毎にこんな台詞を発して揶揄ばかりしていた。
「飢えたアフリカのヒトビトがいると謂うのに」。そうやってある人物のある行為を悪し様に非難と批判をすると同時に、その人物とその行為をげらげらと笑い飛ばしていた様な気がする。

勿論、音楽がチャリティー(Charity) に手を染めるのはこれが初めての事ではない。
1971年に、ラヴィ・シャンカル (Ravi Shankar) が訴えるバングラデシュ (Bangladesh) の窮状 (1971 Bangladesh Genocide) を受けてジョージ・ハリソン (George Harrison) が開催したライヴ・イヴェント『バングラデシュ難民救済コンサート (The Concert For Bangladesh)』 [ライヴ・アルバム『バングラデシュ・コンサート (The Concert For Bangladesh)』とライヴ映像『バングラデシュ・コンサート (The Concert For Bangla Desh)』 [ソウル・スウィマー (Saul Swimmer) 監督作品] が遺されている。共に1972年発表作品] は『ライヴ・エイド (Live Aid)』 [1985年開催] に先行するモノだ。

だけれども、バンド・エイド (Band Aid) はこれまでのモノと一線を画している様に想えてならない。
これまでにも、政治的なメッセージや社会的なメッセージを発する数多くの音楽家達がいる、しかもバンド・エイド (Band Aid) の中にもそういった音楽家達が加わっている、それにも拘らず、だ。

ぼくが謂える事は、参加した音楽家達のそれぞれ、彼らの個としての顔が観えにくいと謂う点と、本来ならばマイノリティ (Minority) の側に立っている筈にも拘らず、どう考えても彼らはそれに参加する事によって、マジョリティ (Majority) の地位を引き当てている様な印象があるのだ。
それは例えば、ルー・リード (Lou Reed) 的言辞を弄べば [彼がそんな発言をした訳ではない念の為] ワイルド・サイドを歩く (Walk On The Wild Side) のがロック・ミュージシャン (Rock Musician) であるのならば、そっちは決してワイルド・サイドぢゃあないんだ (Other Side Of The Wild Side) 、とでも謂う様な感慨だ。

次回は「」。

附記 1. :
アイス・バケツ・チャレンジ (Ice Bucket Challenge) とかホワイトバンドプロジェクト (The White Band Project) とか最近のチャリティー・ムーヴメント (Charity Project) に対する物謂いのひとつに、それらにチェーン・メール (Chain Mail) 的体質が備わっている事を挙げる説がある。それは間違っていないのだけれども、そおゆう側面をもし仮に排除したとしても、受け入れ難いモノがあるのは [少なくともぼくにとっては] 事実なのだ。
まるで『アメリカ横断ウルトラクイズ (Ultra Quiz)』 [19771998日本テレビ放送網系列放映] の冒頭の予選会の様に、地面に大きく書かれた一本の境界線と○と×の間を右往左往させられている様な気分なのだ。しかも、『アメリカ横断ウルトラクイズ (Ultra Quiz)』ならば選んで走って向うべき側は出されたクイズの正解 [と自分自身が信ずるモノ] なのだけれども、このゲームは違う。
常に多数派 (Majority) を選ぶ事を要求されている様な気がするのだ。正しいのか誤っているのかではなくて。

附記 2. :
チャリティー (Charity) って、ローマ・カトリック (Ecclesia Catholica) がかつて発行した免罪符 (Indulgentia) の様な印象がどうしても拭えない。
ただこれは単なる印象であってそれを裏付けるモノが今のぼくにはないから、課題として遺しておく。
考えなければならないのは、ローマ・カトリック (Ecclesia Catholica) 的なるモノに留まっているモノなのか、それとももっと広く大きく、一神教 (Monotheism) そのものが抱え込んでいるモノなのか、と謂う事なのだけれども。
と、風呂敷を広げすぎてしまった感がなきにしもあらずだけれども、例えば木守柿、庭の柿の木の一番上の枝の実は鳥の為に遺し一番下の実は旅人の為に遺すと謂う様な発想は、所謂チャリティー (Charity) の発想にはそぐわないんぢゃあないかなぁ、と想っているのです。

附記 3. :
このプロジェクトを推進したボブ・ゲルドフ (Bob Geldof) は、一介のパンク・ミュージシャン (Punk Musician) から全然別の異層へと飛躍したけれども、肝心の彼の所属するバンド、ブームタウン・ラッツ (The Boomtown Rats) はその煽りを受けた格好で1986年に解散を余儀なくされる。
一方、ユートゥー (U2) あたりはその逆で一連の幾つかのプロジェクトへの参加を通じて飛躍的に知名度を挙げてゆく。
そおゆう栄枯盛衰の物語は、また別のところで。
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