2014.08.15.05.50
その惑星の大陸のひとつ、そこには巨大な建造物がある。
その星の支配者である知的生物の一切は、そこで誕生するのだ。つまり、すでにその星では、出産と人口、総てが100%管理されているのだ。
産まれたこどもには1台の乗物があてがわれる。こどもはそのなかでそだち、そのなかで成長する。そこからおりることはない。それは死を意味しているからだ。
そして、うまれると同時にこどもは、いや、その乗物は、出生の地であるその建造物からはなれ、一気に幹線道路をひたはしる。
建造物から放射線状にのびる幹線道路を、うまれたばかりのこどもをのせた乗物が疾走するのだ。
みちはどこまでものびようとするが、いくつにもいくつにもえだわかれして、徐々にほそくなっていく。
どのみちをえらぶのか、それは現時点、我々の観察では判断はつかない。
一切が事前にプログラミングされたものなのか、それとも完全に偶然性にゆだねられたものなのか、(それを我々は運命とよぶべきなのか)、ある時点で乗物の所有者であるこどもの判断がはたらくのか、いまだそれは謎だ。
ただ、わかっていることは、陸続とその建造物からいくつもいくつも乗物が発進し、のぶとい幹線道路をひしめきあってひたすらに、はしりにはしっている。それだけなのだ。
道路はその大陸をうめつくし、うみをわたり、あらたな大陸までをもおかそうとしている。
おそらく、いずれはその惑星の反対側へと到達するだろう。そして、こどもたちがのる乗物で、この惑星ははちきれんばかりとなるのだ。
[the text inspired from the song "Fast Car" from the album "Tracy Chapman
" by Tracy Chapman]
その星の支配者である知的生物の一切は、そこで誕生するのだ。つまり、すでにその星では、出産と人口、総てが100%管理されているのだ。
産まれたこどもには1台の乗物があてがわれる。こどもはそのなかでそだち、そのなかで成長する。そこからおりることはない。それは死を意味しているからだ。
そして、うまれると同時にこどもは、いや、その乗物は、出生の地であるその建造物からはなれ、一気に幹線道路をひたはしる。
建造物から放射線状にのびる幹線道路を、うまれたばかりのこどもをのせた乗物が疾走するのだ。
みちはどこまでものびようとするが、いくつにもいくつにもえだわかれして、徐々にほそくなっていく。
どのみちをえらぶのか、それは現時点、我々の観察では判断はつかない。
一切が事前にプログラミングされたものなのか、それとも完全に偶然性にゆだねられたものなのか、(それを我々は運命とよぶべきなのか)、ある時点で乗物の所有者であるこどもの判断がはたらくのか、いまだそれは謎だ。
ただ、わかっていることは、陸続とその建造物からいくつもいくつも乗物が発進し、のぶとい幹線道路をひしめきあってひたすらに、はしりにはしっている。それだけなのだ。
道路はその大陸をうめつくし、うみをわたり、あらたな大陸までをもおかそうとしている。
おそらく、いずれはその惑星の反対側へと到達するだろう。そして、こどもたちがのる乗物で、この惑星ははちきれんばかりとなるのだ。
[the text inspired from the song "Fast Car" from the album "Tracy Chapman
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