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2014.04.20.09.22

"SOLID STATE SURVIVOR" by YELLOW MAGIC ORCHESTRA

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アルバム・ジャケットから窺い知る事は、ここにあるのは似非や騙りや剽窃や偽物や擬きやエピゴーネン (Epigonen) やシュミラクラ (Simulacra) であって、真実や真相は一切、その正体を顕していないのだ。

と、謂う様な事を力説するには、いちいち、そのひとつひとつをあげつらって立証する責務も生じるかもしれないけれども、もし仮に、それを始めた所で、彼らの術策に陥るのが関の山だ。

例えば、このヴィジュアルには、人間態のモノが計いつつ見受けられるが、これをどう、解釈すべきなのだろうか。
精巧に造られたレプリカント (Replicant) 2体が3人の人物と遊戯に興じていると解釈すべきか、それとも逆に、生身の人間3人が2体のレプリカント (Replicant) に擬してそれらと一緒にそこに陳列されていると解釈すべきか。
つまり、そこに顕われているモノ総て両義性を有していて、その一方だけを指摘すれば、既にぼく達は陥穽 (The Pit) の底と謂う訳なのだ。

そして、もしかしたら、巧妙に陥穽 (The Pit) を避けながら、揺れる振子 (The Pendulum) の様に打ち興じる遊戯をテクノ・ポップ (Techno Pop) と呼ぶべきなのかもしれない。

イエロー・マジック・オーケストラ (Yellow Magic Orchestra) [ワイエムオー (YMO) なる呼称が定着するのはずっと後、アルバム『ビー・ジー・エム (BGM)』 [1981年発表] のジャケットにこの3文字が描かれて以降だと思う] の存在については、随分、早くから知っていたと思う。
NHK-FMの『サウンドストリート (Sound Street)』という番組で森永博志 (Hiroshi Morinaga) が積極的に紹介していたと記憶している。

その当時のぼくにとっては、彼らはフュージョン (Fusion) の亜流でしかなかった。
しかも、それは単に、イエロー・マジック・オーケストラ (Yellow Magic Orchestra) 結成直前の、3人それぞれの活動に拠るモノばかりではない。
一応書いておくと、細野晴臣 (Haruomi Hosono)ティン・パン・アレー (Tin Pan Alley)高橋幸宏 (Yukihiro Takahashi)サディスティックス (Sadistics)坂本龍一 (Ryuichi Sakamoto) は一介のセッション・ミュージシャンで、同時並行に活動していたのが渡辺香津美 (Kazumi Watanabe) 率いるキリン (KYLYN) である。

そのサウンドの厚ぼったさ、と書くととっても批判的に聴こえるが、そのつもりで書いている。言い換えれば、巧妙にアレンジメントされたそのサウンドの緻密な構成が、華美な粉飾に聴こえていたからである。
これは、パンク (Punk) 出自の英米のテクノ・ポップ (Techno Pop)・サウンドとも違うし、彼らが元ネタのひとつとしたクラフトワーク (Kraftwerk) のそれとも違う。ちなみに、もうひとつの元ネタであるマーティン・デニー (Martin Denny) に出逢うのはもっとずっと後の事だから、ぼくにとっては尚更だ。

このアルバムのオープニング曲でもあり、テクノ・ポップ (Techno Pop) な時代を象徴したとも謂える、『テクノポリス (Technopolis)』での発声「トキオ (Tokio)」についても同じ事が謂える。このサウンド・プレゼンスを可能とした楽器ヴォコーダー (Vocoder) は、ぼくにとっては、ジェフ・ベック (Jeff Beck) やジョー・ペリー (Joe Perry) そしてピーター・フランプトン (Peter Frampton) が使用するトーキング・モジュレーター (Talk Box) のキーボード (Keyboards) 版なのだ。それはつまり、あたかも要塞の様に積み上げられた楽器群の中から一歩もその外に出る事が叶わぬキーボーディスト (Keybordest) の鬱屈したコンプレックス (Complex) の顕われの様なモノに、ぼくには映じていたのである。
でかくておもくて無様なキーボード (Keyboard) を敢えて肩からぶらさげてパフォームする、フュージョン (Fusion) 〜ファンク (Funk) 系のミュージシャンのそれと同じ発想だ。尤も、その一方で、ギタリスト (Guitarist) はギタリスト (Guitarist) ならではのコンプレックス (Complex) の顕現、ギター・シンセサイザー (Guitar Synthesizer) なる楽器を当時、開発せしめているのだけれども。

だから、この作品発表直前に決行された、彼らの初の海外公演の映像 [『1979 トランス・アトランティック・ツアー (1979 Trance Atrantic Tour)2000年に発売] を観ても [あるデパートの電化製品のコーナーに居並ぶブラウン管 (Cathode Ray Tube TV) に延々と流されていた記憶がある、つまりその時点で知名度は確固たるモノとしていたのだろうか]、彼らのパフォーマンスにさして新しさを感じない。むしろ、彼らのサポート・メンバーとして同行していた矢野顕子 (Akilko Yano) のパフォーマンスの方に、同時代性を感じていたと思う。ありとあらゆるしがらみを断ち切ったかの様なその声の有り様が、英米に登場する女性ヴォーカリストと同じ地平にあるかの様なのだ。

そうこうするうちに、彼らのブーム、しかもそれは日本国内だけでもないし、音楽と謂う限定された世界の話でもない。そんなおおきな潮流がこの作品から始まってしまった。

しかも、本来ならば、その元祖である筈のクラフトワーク (Kraftwerk) でさえも、アルバム『人間解体 (The Man Machine)』[1978年発表] 以降、そのサウンド・プレゼンスもヴィジュアル・イメージもこの作品『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー (Solid State Survivor)』に”学んだ”と思われる節がある。
と断罪しているのは、ぼくだけなのだろうか? 少なくとも当時、旧くからの彼らのファンは、そんな感触をもったと思うのだが。

つまり、ぼくはイエロー・マジック・オーケストラ (Yellow Magic Orchestra) に関しては、立ち後れた位置にずっといたのだ。否、いまでも遅れたままなのかもしれない。
ぼくの手許にあるこのアルバムもかつての同居人の忘れ物だ。
返したいきもちはやまやまだから、もし、この記事を読む事があるのならば、躊躇なく連絡をくれる様に。

ものづくし(click in the world!)138. :
"SOLID STATE SURVIVOR" by YELLOW MAGIC ORCHESTRA


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"SOLID STATE SURVIVOR" by YELLOW MAGIC ORCHESTRA

SIDE 1
TECHNOPOLIS - 4:14
Ryuichi SAKAMOTO

ABSOLUTE EGO DANCE - 4:38
Haruomi HOSONO

RYDEEN - 4:26
Yukihiro TAKAHASHI

CASTALIA - 3:30
Ryuichi SAKAMOTO

SIDE 2
BEHIND THE MASK - 3:35
Chris MOSDELL
Ryuichi SAKAMOTO

DAY TRIPPER - 2:39
LENNON - MCCARTNEY

INSOMANIA - 4:57
Chris MOSDELL
Haruomi HOSONO

SOLID STATE SURVIVOR - 3:53
Chris MOSDELL
Yukihiro TAKAHASHI

Produced by Haruomi HOSONO

Composed, Arranged and performed by The YELLOW MAGIC ORCHESTRA
Lyrics by Chris MOSDELL
Ryuichi SAKAMOTO, Yukihiro TAKAHASHI, Haruomi HOSONO
Remixed by The YELLOW MAGIC ORCHESTRA AND Norio YOSHIZAWA

Cover Conception by The YELLOW MAGIC ORCHESTRA
Photography : Masayoshi SUKITA
Logo Type : Lou BEACH
Art Direction : Heikichi HARATA
Stylists : TAKEHIME, Fumiko IWARU, Mayo TSUTSUMI
Costume Design : Yukihiro TAKAHASHI
Clothes : BRICKS
Hair : Mikio HONDA (CLIP)

Recording Coodinator : Akira IKUTA, Masayo HIKASA
Recorded at "A" Studio, Shibaura, Tokio

All tunes (C) 1979 by ALFA MUSIC LTD. except DAY TRIPPER
(C) 1965 for the world by NORTHERN SONGS LTD., London, England,
Rights for Japan controlled by Shinko Music Publishing Co., Ltd, Tokyo.

The YELLOW MAGIC ORCHESTRA is :
Ryuichi SAKAMOTO : Keyboards, voices
Yukihiro TAKAHASHI : drums, vocals
Haruomi HOSONO : bass, keyboards, voices

Computor Programing by Hideki MATSUTAKE

Makoto AYUKAWA : electric guitar on "DAY TRIPPER", "SOLID STATE SURVIVOR"
SANDI : voices on "ABSOLUTE EGO DANCE"
Special Thanx to Chris MOSDELL
Exective Producer : Kuni MURAI, Sho KAWAZOE

(C) 1979 ALFA RECORDS, INC. (P) 1979
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