2014.04.06.14.43
こんな夢をみた。

the movie “Notes On A Scandal
” directed by Richard Eyre, adapted from the novel “Notes On A Scandal
” written by Zoe Heller
出張中で誰もいない研究室でひとり、資料を漁っていると、上のフロアの助手(女、年上、背が高く髪もながく金色に染めている)が顕われる。教授の不在の旨を伝えると、それは構わない、本を数冊借りにきたと謂う。
ぼくはこの後の講義に出席しなければならないので、多分、この夢の中では学生か院生なのだろう、急いで欲しいと彼女に伝える。見知った顔で、しかもこの大学側ではあるけれども、研究室と謂う空間からみれば、あくまでも彼女は部外者だ。ここの鍵はぼくしか持っていない筈で、彼女にそれを預ける訳にもいかないし、鍵をあけたままここを出る訳にもいかない。
彼女は自分の腕時計をみて、その講義は自分も出席しなければならない事、そして、まだ時間はあると謂う。
その台詞を聴いて、いつも教壇にたつ講師よりも遅れて、彼女が教室に入ってくる光景を幾つも憶いだす。そうか、そういうことなのか。
そしてどうやら、それでぼくが彼女を見知っている理由が理解出来る。
気がついたら、ぼくは彼女を押し倒している。
白衣のしたは、薄い色のタンクトップ1枚で、胸はすぐそこにある。匂いを嗅いだら、薬品とは違うものばかりだ。無造作に乳房に触れて、もう一方に顔を埋めてから見上げると、肌の色と髪の色が混ざり込んでみえる。表情は解らない。
このまま続けてもいいと解ったので、彼女を起こして、時間だから行くと告げる。
そして、一度、自分のフロアに戻ると謂う彼女に別れを告げる。講義が終わったら、と。
1階まで降りてみると、丁度、前の時間の講義が終えたばかりなのだろう。入るものと出るもの、降りるものと昇るもので、ごった返している。時々、大きな叫びが起きるのは、休講の知らせがいくつも貼り出してあるからだ。
そんな人ごみをかきわけてようやく教棟の外に出た時に、大事なものをいくつか忘れた事に気づく。
おのれの間抜けぶりに呆れながら今出たばかりの建物に戻ろうとすると、背中から声がかかる。
「明後日のおかね、わすれないでよ」
そう謂って、ギター・ケースを背追ったおんなが駆け抜けて行く。多分、だれかと間違えたのだろう。それとも、おれの方が勘違いしたのか。
先程の人ごみは、まるで嘘だったかの様に、閑散としている。エレヴェーターの前に辿り着くと、どれもがみんな、上へ上がったばかりだ。しばらく、降りてこない。これもこれもこれも、全部が全部だ。そうやって、一番奥まで行ってしまうと、先客が数人いる。その出で立ちから外部のものだとすぐに解る。
ひとりだけ見知ったおんながいるが、この時点ではまだ、赤の他人だ。数年後、卒業したおれが就職した先で関わる取引先のおんなだけれども、ここで既に出逢ってしまう。それは夢だからだ。
彼女達は、ここへは営業に来た様だ。
ようやく着いたエレヴェーターに乗ると、それは洗面所と一体化したものだ。エレヴェーターが丸ごと、トイレなのだ。入って右側に数台の手洗いが並んでいて、その奥に、数段、階段を上った先に、男女それぞれの個室がある。
初めてそこに乗ったときはおれも吃驚したが、もうすっかり慣れている。だが、それはおれだけで、さっきのおんな達は戸惑いを隠せない。そして、水浸しの床に辟易する。
やっぱり、誰もがそうなんだろうな。
気を利かしたつもりか、モップを捜し当てたおとこがひとり、床を拭き始める。
そんな事に付き合うつもりなんかさらさらにないおれは、個室にはいる事にする。
便意を催してきたからだ。
座って用をたそうとした矢先に、扉があいておとこがひとり、はいってくる。
「手をあらわしてくれ。ここにしかないんだ」
唖然としたまま、なにもできないでいると、つぎからつぎへと同じ様に、おとこ達がはいってくる。
ザ・ドリフターズの一員だ。故人もいる。全盛期の若さだ。
這う這うの体で、なんとか、やるべきことをしてトイレから出てくると、そこはあるクラヴの最上階フロアだ。
確か友人主宰のイヴェントに招かれたのだ。しかも、早く来すぎて、閑散としていたから、そこで主催者達と閑を持て余しているのも格好がつかない。それで尿意を口実にトイレへ駆込んだ。そいつはDJブースにいて、さっきからずっと、オリジナル曲ばかりかけているのも、逃げる理由のそのひとつだ。くだらない曲だ。
トイレでやるべきことをやったとしても、その上で身だしなみを整えだしたとしても、たかがしれている。だからと謂って、ここにいつまでもこうして、居座るわけにもいかない。
諦めて出てきたのが、さっきの瞬間だ。
一番下のフロアを覗き見すれば、まだ、客らしき姿はない。だけれども、このフロアは満席になりつつある様だ。さっきまでぼくが居座っていたトイレはそこからさらに数段上にある。総てはお見通しなのだ。
だから、ステージ上でのパフォーマンスをきちんと観たいのならば、トイレの扉にもたれるのがいい。1階の人ごみの後ろでは、なにも出来ない。
フロアの中央にテーブルがいくつも並び、そこにいくつもの料理が並べられている。こんな場所で食事とは珍しい、そう想いながら、その席の主賓らしき人物に眼をむけるとPだ。
数年前にけんか別れした男だ。今はだいぶ、羽振りがいい様だ。
不味い事に目が合ってしまう。それだけならば、お互いに素知らぬ顔をして通り過ぎる事も出来そうだが、さらに不味い。その周辺にいるモノ達もぼくに気づいてしまう。手をふるばかなやつもいる。
事情をすべて知っているくせに。否、それだからか。
こうなっては、仕方ない。気づかないふりなぞ、出来よう筈もない。
挨拶に出向く。
握手をして二言三言で別れようとしたら、むかしのはなしをむしかえしてくる。
いや、違う。
昔話ではない。今の話だ。
しかも、それはおれとは無関係な事件だ。なぜ、それをおれのせいだと謂う。
あれ以来、おまえに電話の1本もいれたことはないのだ。

the movie “The Counselor
” directed by Ridley Scott

the movie “Notes On A Scandal
出張中で誰もいない研究室でひとり、資料を漁っていると、上のフロアの助手(女、年上、背が高く髪もながく金色に染めている)が顕われる。教授の不在の旨を伝えると、それは構わない、本を数冊借りにきたと謂う。
ぼくはこの後の講義に出席しなければならないので、多分、この夢の中では学生か院生なのだろう、急いで欲しいと彼女に伝える。見知った顔で、しかもこの大学側ではあるけれども、研究室と謂う空間からみれば、あくまでも彼女は部外者だ。ここの鍵はぼくしか持っていない筈で、彼女にそれを預ける訳にもいかないし、鍵をあけたままここを出る訳にもいかない。
彼女は自分の腕時計をみて、その講義は自分も出席しなければならない事、そして、まだ時間はあると謂う。
その台詞を聴いて、いつも教壇にたつ講師よりも遅れて、彼女が教室に入ってくる光景を幾つも憶いだす。そうか、そういうことなのか。
そしてどうやら、それでぼくが彼女を見知っている理由が理解出来る。
気がついたら、ぼくは彼女を押し倒している。
白衣のしたは、薄い色のタンクトップ1枚で、胸はすぐそこにある。匂いを嗅いだら、薬品とは違うものばかりだ。無造作に乳房に触れて、もう一方に顔を埋めてから見上げると、肌の色と髪の色が混ざり込んでみえる。表情は解らない。
このまま続けてもいいと解ったので、彼女を起こして、時間だから行くと告げる。
そして、一度、自分のフロアに戻ると謂う彼女に別れを告げる。講義が終わったら、と。
1階まで降りてみると、丁度、前の時間の講義が終えたばかりなのだろう。入るものと出るもの、降りるものと昇るもので、ごった返している。時々、大きな叫びが起きるのは、休講の知らせがいくつも貼り出してあるからだ。
そんな人ごみをかきわけてようやく教棟の外に出た時に、大事なものをいくつか忘れた事に気づく。
おのれの間抜けぶりに呆れながら今出たばかりの建物に戻ろうとすると、背中から声がかかる。
「明後日のおかね、わすれないでよ」
そう謂って、ギター・ケースを背追ったおんなが駆け抜けて行く。多分、だれかと間違えたのだろう。それとも、おれの方が勘違いしたのか。
先程の人ごみは、まるで嘘だったかの様に、閑散としている。エレヴェーターの前に辿り着くと、どれもがみんな、上へ上がったばかりだ。しばらく、降りてこない。これもこれもこれも、全部が全部だ。そうやって、一番奥まで行ってしまうと、先客が数人いる。その出で立ちから外部のものだとすぐに解る。
ひとりだけ見知ったおんながいるが、この時点ではまだ、赤の他人だ。数年後、卒業したおれが就職した先で関わる取引先のおんなだけれども、ここで既に出逢ってしまう。それは夢だからだ。
彼女達は、ここへは営業に来た様だ。
ようやく着いたエレヴェーターに乗ると、それは洗面所と一体化したものだ。エレヴェーターが丸ごと、トイレなのだ。入って右側に数台の手洗いが並んでいて、その奥に、数段、階段を上った先に、男女それぞれの個室がある。
初めてそこに乗ったときはおれも吃驚したが、もうすっかり慣れている。だが、それはおれだけで、さっきのおんな達は戸惑いを隠せない。そして、水浸しの床に辟易する。
やっぱり、誰もがそうなんだろうな。
気を利かしたつもりか、モップを捜し当てたおとこがひとり、床を拭き始める。
そんな事に付き合うつもりなんかさらさらにないおれは、個室にはいる事にする。
便意を催してきたからだ。
座って用をたそうとした矢先に、扉があいておとこがひとり、はいってくる。
「手をあらわしてくれ。ここにしかないんだ」
唖然としたまま、なにもできないでいると、つぎからつぎへと同じ様に、おとこ達がはいってくる。
ザ・ドリフターズの一員だ。故人もいる。全盛期の若さだ。
這う這うの体で、なんとか、やるべきことをしてトイレから出てくると、そこはあるクラヴの最上階フロアだ。
確か友人主宰のイヴェントに招かれたのだ。しかも、早く来すぎて、閑散としていたから、そこで主催者達と閑を持て余しているのも格好がつかない。それで尿意を口実にトイレへ駆込んだ。そいつはDJブースにいて、さっきからずっと、オリジナル曲ばかりかけているのも、逃げる理由のそのひとつだ。くだらない曲だ。
トイレでやるべきことをやったとしても、その上で身だしなみを整えだしたとしても、たかがしれている。だからと謂って、ここにいつまでもこうして、居座るわけにもいかない。
諦めて出てきたのが、さっきの瞬間だ。
一番下のフロアを覗き見すれば、まだ、客らしき姿はない。だけれども、このフロアは満席になりつつある様だ。さっきまでぼくが居座っていたトイレはそこからさらに数段上にある。総てはお見通しなのだ。
だから、ステージ上でのパフォーマンスをきちんと観たいのならば、トイレの扉にもたれるのがいい。1階の人ごみの後ろでは、なにも出来ない。
フロアの中央にテーブルがいくつも並び、そこにいくつもの料理が並べられている。こんな場所で食事とは珍しい、そう想いながら、その席の主賓らしき人物に眼をむけるとPだ。
数年前にけんか別れした男だ。今はだいぶ、羽振りがいい様だ。
不味い事に目が合ってしまう。それだけならば、お互いに素知らぬ顔をして通り過ぎる事も出来そうだが、さらに不味い。その周辺にいるモノ達もぼくに気づいてしまう。手をふるばかなやつもいる。
事情をすべて知っているくせに。否、それだからか。
こうなっては、仕方ない。気づかないふりなぞ、出来よう筈もない。
挨拶に出向く。
握手をして二言三言で別れようとしたら、むかしのはなしをむしかえしてくる。
いや、違う。
昔話ではない。今の話だ。
しかも、それはおれとは無関係な事件だ。なぜ、それをおれのせいだと謂う。
あれ以来、おまえに電話の1本もいれたことはないのだ。

the movie “The Counselor
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