fc2ブログ

2014.04.04.09.08

Morning Glory

いいかい、よくきけ。
すこしは、おれに話させてくれ。
くちをはさむな。
いまからするのはたとえ話だ。
これをきいてからこんどは、おまえがいいたいことをいえばいい。

あるところに年老いた母親がすんでいた。
子供たちはみな、彼女のもとをさった。それぞれがそれぞれのいきかたをしている。
もう何年もあっていない。

彼女には趣味も娯楽もなかった。
わかいころから女手ひとつで、子供たちをやしなってきた。それで精一杯だった。
だから、子供たちは彼女にとって、文字通りのたからものだった。

だが、彼女にはたったひとつのたのしみがあった。
時折、届く子供たちからの手紙だ。
彼女は毎朝、郵便受けをのぞく。
毎日毎日、彼女は子供たちからの手紙だけを待ってくらしていた。

いやな時代がはじまった。
だが、彼女の生活にはさして影響はない。

ある日、早朝。
彼女のもとに郵便屋があらわれる。
普段よりも相当にはやい時間だ。

電報だった。
しかも子供たちのうちのひとり、その戦死広報だった。

おれがいいたい事はこれっきりだ。
朝一番に朗報なんか、とびこんでくるわけがない。
期待しているおまえがばかだ。
そして金輪際、おれに連絡をとろうとおもうな。
もう二度と、あいたいなどと、ぬかさないでくれ。

[the text inspired from the song “Morning Glory” from the album “(What's The Story) Morning Glory?” by Oasis]


関連記事

theme : 今日の1曲 - genre : 音楽

a song for you | comments : 0 | trackbacks : 0 | pagetop

<<previous entry | <home> | next entry>>

comments for this entry

only can see the webmaster :

tackbacks for this entry

trackback url

https://tai4oyo.blog.fc2.com/tb.php/1424-129a2445

for fc2 blog users

trackback url for fc2 blog users is here