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2014.03.24.05.05

俳句の5-7-5について:『ごくなぬか』解題

上五中七下五、あわせて五七五と謂うけれども、それとは違う韻律で実は作成しているのではないか。少なくとも、ぼく自身のモノに関しては、特にそう思う。

だけれども、それは字足らず字余りを良しとしているからではない。否、実際にそう謂った”破調とされる”モノはこのブログのこの連載上では、決して少なくはない。
だけれども、作品の巧拙は別にして、ぼく自身の俳句 (Haiku) と謂うモノに向かう態度が、歴史的仮名遣 (Historical Kana Orthography) での、日本語のかな (Kana : Syllabic Japanese Scripts) 5文字ないし7文字と謂う、論理ないしは倫理に準拠していないのではないか、と考えているのである。

一応、原則的な事を確認しておく。
5音や7音と謂う韻律は、日本語 (Japanese Language) にとっては気持ちのいいモノではある。
でも、だからと謂って、その快感原則に則る事ばかりに意識が行ってしまうと、韻律の良さが却って災いして、もっと大事なナニカがごっそりと抜け落ちてしまう。だから、敢えて字足らず字余りと謂う”技巧”を導入する、と謂う可能性はありそうだ。
その一方で、字足らず字余りと謂うかたちで発想された作品を、定形に載せようとしても巧く行かない。入れ替えたり、削除したり、追加したりはするモノの、やっぱり巧く行かない。だったら、下手にこねくり回すよりも、素のモノをそのまま、提出した方がいいだろう。こんな発想も勿論、あるだろう。

否、それ以前に。
5音や7音と謂う韻律は、日本語 (Japanese Language) にとっては気持ちがいい。だが、4音や6音や8音だって、気持ちのいい場合がない事もない。しかも、ややこしいのは、定形の五七五に収まってはいても、気持ちの悪い5音や7音も、同じ様に、ない事もないのだ。

だから、改めて、また、同じ文章を繰り返してみる。
歴史的仮名遣 (Historical Kana Orthography) での、日本語のかな (Kana : Syllabic Japanese Scripts) 5文字ないしかな7文字と謂う、論理ないしは倫理に準拠していないのではないか。

ぢゃあ、そうではない別のモノがあるのだろうか。歴史的仮名遣 (Historical Kana Orthography) による、日本語のかな (Kana : Syllabic Japanese Scripts) 5文字ないしは7文字とは違った規範がぼくに働いているのだろうか。
と謂う様な事をここで考えてみたいと、思っているのである。

では一体、それはなにかと自問してみると、日本語のかな (Kana : Syllabic Japanese Scripts) を母音 (Vowel) プラス子音 (Consonant) に分解した、アルファベット (Alphabet) の音律で考えている可能性があるのでは、と、最初は考えた。
だから、単純に考えると、上五下五はアルファベット (Alphabet) 10文字の韻律、中七はアルファベット (Alphabet) 14文字の韻律となって、単純な確率論として考えてみれば、様々な表現の可能性が広がるかもしれない、と思える。
だけれども、ただ、それだけでは、韻律が細分化されただけで、そこで素直に、字足らず字余りを許容する理由にはなり得ない。
恐らく、促音 (A Double Consonant) や拗音 (A Contracted Sound) と謂う様な、特殊な音をどうやって5音や7音の中に回収すべきか、と謂う様な思考には相応しいとは思うのだけれども。

だから、ひとまず、上の発想は、単なる思いつきのまま、保古にしよう。

ぢゃあ、そうではない考え方があるのだろうか。

結論から先に書いてしまえば、4/4拍子 (Four-Four Time) の3小節 (Three Bars) の譜面で、俳句 (Haiku) の韻律を捉えているんぢゃないかなぁ、と思っているのである。つまり、エイト・ビート (Eight-Beat Rhythm) だ。

ここからしばらく音楽の話になってしまうかもしれないし、その上しかも、ここでは譜面を掲載する事は叶わないから、判読しづらくなってしまうかもしれない。
だが、記述する事の殆どは、義務教育 (Compulsory Education) の範疇で理解可能な筈だから、我慢して付き合って頂ければ、と思う。

4/4拍子 (Four-Four Time) でエイト・ビート (Eight-Beat Rhythm) だから、中七を例にするのが一番解りやすい。

4/4拍子 (Four-Four Time) の1小節 (A Bar) は、4分音符 (A Quarter Note) 4つで構成されている。タン・タン・タン・タン。これが4/4拍子 (Four-Four Time) だ。
その4/4拍子 (Four-Four Time) を半分の長さの8分音符 (An Eighth Note) で構成しようと謂うと、その数は倍の8つ必要だ。タ・タ・タ・タ・タ・タ・タ・タ。これが8分音符 (An Eighth Note) による4/4拍子 (Four-Four Time)、所謂エイト・ビート (Eight-Beat Rhythm) である。
例えば、右掌でタ・タ・タ・タ・タ・タ・タ・タと叩くと同時に、右脚でタン・タン・タン・タンと踏めば、これが最も単純なエイト・ビート (Eight-Beat Rhythm) だ。実際には、1拍目のタンと3拍目のタンに、アクセントとして、左腕で自身の腿を叩く事になるのだけれども、そんな講釈は始めるときりがない。
最長老の現役ロックンロール・バンド、ザ・ローリング・ストーンズ (The Rolling Stones) のドラマー、チャーリー・ワッツ (Charlie Watts) のビートは、明らかに違うぞ、とかね [興味もしくは疑念をお持ちの方はこちら (Here) をご覧ください]。

だから、ここで元に戻すのだけれども、その8分音符 (An Eighth Note) の8つの音に1音1音、中七の語を当て嵌めてみる。そうすると、当然の様に8分音符 (An Eighth Note) が1つ剰ってしまう。これをどうすれば良いのか。
通常は、この剰った音は、そのまま8分休符 (An Eighth Rest) と解する事が出来るのではないか。
もしかしたら、字余りとなってしまった中七の韻律をこれで回収する事が出来るのではないだろうか。

同じ様に、5文字の句、つまり上五下五も考える事が出来る。
だが、中七よりも、遥かに音符数が剰ってしまう。

最初、5文字の句は3/4拍子 (Three-Four Time)、つまりロックンロール (Rock ’N’ Roll) ではなくてワルツ (Waltz) の韻律なのかなぁとも思ったが、たったの3小節 (Three Bars) で、その小節 (A Bar) が終わる毎に、拍が変わるのではあまりにせわしない。思考実験とは謂え、音楽としてどうなのか。

だから、4/4拍子 (Four-Four Time) の3小節 (Three Bars) の譜面で考えてみる事にした [もし仮に5文字の句を3/4拍子 (Three-Four Time) でなければならぬとそこに拘泥するのならば、中七6/8拍子 (Six-Eight Time) になるんだろうか、否、これでは拍が足りない]。
では、話は元に戻って、剰ってしまった音符はどうなるのか。
ひとつは、字余りをそこで回収すると謂うのはあり得る。字足らずの句の場合は、それぞれの小節の中で、長音を内在させれば良い筈だ。
そして、もうひとつ、そこに切れもしくは切れ字と謂うモノが存在しないだろうか、という事なのだ。

切れもしくは切れ字と謂うモノの存在とその意義を、この発想から総て定義出来るとは思わない。
だけれども、わずか17文字の配列の中で、何故、ああいうブレイクを必要としているのか、という考察のよすがになるのでは、とも思えなくもない。

つまり、17文字のつらなりを、8分音符 (An Eighth Note) 24音から産まれるリズムの中で咀嚼してみようという事なのである。
勿論、もっと細かく、細分化されたリズムを起用して、と謂う可能性もないではないが、それを前提とした作品と謂うモノはちょっと思いつかない。但し、促音 (A Double Consonant) や拗音 (A Contracted Sound) と謂う様なモノは、その細かいリズムを必要としているのかもしれない。

ただ、この発想には問題点がいくつもある。

ひとつは、短歌 (Tanka) も4/4拍子 (Four-Four Time) 5小節 (Five Bars)の音楽と解読出来てしまう事で、果たして、俳句 (Haiku) と短歌 (Tanka) を、あるひとつの観点とは謂いながら、同様のモノとして咀嚼して良いのか、という問題がある。

そして、それ以上に、以前のぼくはこの頁で、俳句 (Haiku) に於ける音楽性と謂うモノを否定的に観ていたから、どちらかいずれの立場を最終的に選ぶのか、さもなければ、それを止揚するヴィジョンを呈示出来るのか、という問題が、横臥わっているのである。

『ごくなぬか』解題:目次
俳句の17文字について:『ごくなぬか』解題
俳句の5-7-5について:『ごくなぬか』解題
俳句の季語について:『ごくなぬか』解題
俳句の切れもしくは切れ字について:『ごくなぬか』解題
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theme : 俳句 - genre : 小説・文学

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