2014.03.14.10.30
5分だ。5分だけまってやる。
それがすぎたら、おれはそこにはいない。
それがまちあわせのルールだった。
約束の時間にたとえまにあわないとしても、最初の5分はそこにいた。
だが、それ以上、まちつづける度量もやさしさも、もちあわせてはいない。
その日、そいつとやる予定だったすべてはそこでキャンセル。おれはかえった。
映画、観劇、美術館、遊園地、ディナーもパーティーも、一切、ご破算だ。
遅れたいいわけなんかきく耳はもちあわせてなんかいない。
だから、まちあわせの場所はいつでもどこでも、街中だった。
喫茶店なんかを指定したら、そいつは絶対にこの店に、これからむかうと一報をいれてくるのに、決まっている。
だから、携帯が普及しはじめたその直後は、手段を変えた。
なってもでないし、留守電もいれていない。しかも、電波がとどきそうもない地下を、まちあわせに指定した。
こうしておけば、いくらならしても、おれが携帯にでないことを非難できないだろう。
おれは単純に、おくれたおまえがわるい、といえばいいだけなのだ。
しかし、この手も最早、通用しない。
いつでもどこでも、電波は届く。
馬鹿馬鹿しい。
最近は、常に現地集合だ。
ひとり先にきて、約束の時間になれば、いようがいまいが、勝手に先にはじめてしまう。
のんだくれて、よっぱらって、出来上がっちまっている、というわけだ。
あいつがあらわれるのは、丁度、そんなころだ。
だから、素面のおれを、あいつはしらない。
[the text inspired from the song “Just In Time” from the album “Duets : An America Classic
” by Tony Bennett duet with Michael Buble]
それがすぎたら、おれはそこにはいない。
それがまちあわせのルールだった。
約束の時間にたとえまにあわないとしても、最初の5分はそこにいた。
だが、それ以上、まちつづける度量もやさしさも、もちあわせてはいない。
その日、そいつとやる予定だったすべてはそこでキャンセル。おれはかえった。
映画、観劇、美術館、遊園地、ディナーもパーティーも、一切、ご破算だ。
遅れたいいわけなんかきく耳はもちあわせてなんかいない。
だから、まちあわせの場所はいつでもどこでも、街中だった。
喫茶店なんかを指定したら、そいつは絶対にこの店に、これからむかうと一報をいれてくるのに、決まっている。
だから、携帯が普及しはじめたその直後は、手段を変えた。
なってもでないし、留守電もいれていない。しかも、電波がとどきそうもない地下を、まちあわせに指定した。
こうしておけば、いくらならしても、おれが携帯にでないことを非難できないだろう。
おれは単純に、おくれたおまえがわるい、といえばいいだけなのだ。
しかし、この手も最早、通用しない。
いつでもどこでも、電波は届く。
馬鹿馬鹿しい。
最近は、常に現地集合だ。
ひとり先にきて、約束の時間になれば、いようがいまいが、勝手に先にはじめてしまう。
のんだくれて、よっぱらって、出来上がっちまっている、というわけだ。
あいつがあらわれるのは、丁度、そんなころだ。
だから、素面のおれを、あいつはしらない。
[the text inspired from the song “Just In Time” from the album “Duets : An America Classic
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