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2014.02.07.11.03

The Exodus Song (This Land Is Mine)

救世主をかたるもの、預言者をにんずるもの、そんなものばかりであふれかえっている。
世も末か。
そうかもしれない。だがな、これはいまにはじまったことではない。いつもあるもの、つねにあるものだ。
この世がさかえれば、さかえたなりに、うれいやなげきやかなしみや、そんなものはしょうじるもののなのだ。そして、もちろん、その逆。この世がおとろえば、そんなものはあふれかえるにきまっている。
この世はつねに、うれい、なげき、かなしみ、そんなものでみたされているのさ。
まるで仏陀みたいなくちぶりだって?
そうかもな。
おれも救世主や預言者をかたりにんずる、そのひとりなのかもしれない。

長年にわたる宇宙開発の結果、月はとても近い存在となった。かつては軍事産業の手中にあったものが、いまや観光事業でしかない。月そのものに着陸を許されるのはごく限られた人々だったが、月の軌道を周回する旅は、誰もが愉しめるものとなった。

だから、ある種の宗教団体がいくつも、宇宙をめざすのも、なかば必然であった。
彼らは、神により近い場所へたどりつこうとしていたのである。

最初は信者達を募っての月への周遊だった。
次は、自身の専用機を建造して、宇宙空間へと向かう。
ここまでは誰も文句のでる筋道ではない。その場、そのときの、ルールや規則に従っていさえすれば。

だが、次第にかれらの宇宙への情熱は、不思議な熱をおびてくる。
彼らにとっての宇宙はそのまま、新天地の代名詞、神が導く約束の地なのだ。
いくつかの団体が、移住計画を発表したのも、避けがたい必然だったのかもしれない。

障壁となったのは、地上での版図のあらそいをそのまま月面でおこなっていた各国間の思惑だ。数世紀も前に地球の区分けで相争っていた国々がいま、月面の線引きにおおあらわになっていたのだ。月面における領土問題。それが国際社会での最重要課題であり、それがいまだに解決していないがために、月への移住計画は頓挫したままだったのだ。

そして、国家間の争あらそいの渦中に、あらたに宗教という問題が投入される。
つまりは、数世紀前のあらそいがそのまま、月面で再現されようとしていたのである。

潤沢な資金をもったその宗教団体が、月への移住を開始したのである。

[the text inspired from the song “The Exodus Song (This Land Is Mine)”, from the album “Beyond The Sunset ” sung by Pat Boone from the movie “Exodus” directed by Otto Preminger]


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