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2013.11.29.07.21

United

扉をあけてはいったそのむこうにそれはあった。

ききしにまさるものだった。
存在感というよりも威圧感というべきだろう。恐怖ににた感情を抱くかもしれない。

だがそれを、なんとよべばいいのだろう。
城郭にも要塞にも戦艦にもみえるそれは巨大であると同時に、ある種の猛々しさをもおもわせる。
凶暴な猛獣のようなつらがまえなのだ。

そして、さらに不思議なのは、これがすべて、わずか1cm四方にもみたない部品の集積でできあがっていることだった。
しかも、その部品は生きているのだ。

いま、ぼくの手許にその部品のひとつがある。
複雑な曲線を描くその表面に、いくつかの端子が輝いている。それぞれの部品にあるこの端子を結合させていけば、いくらでもおもうがままの形状のものを、造り、築き上げる事ができる。
ぼくの目の前にそびえる巨躯が、その成果のひとつだ。

だが、それだけのことならば、雑作もない。
おもちゃのブロックでもドミノでもできる。

これがほかとちがうのは、生きていることだ。

ある種の蟻が原型だという。
その蟻を生体のまま、解体し、その組織をこの中に充填してあるのだ。
部品の端子は、蟻の神経系や循環器系といった生存に関わる、体内のネットワークである。
それを部品同士を結合させることによって、生体ネットワークのすべてを結びつけることができるのだ。
いわば、一匹の蟻をひとつの細胞体とするおおきな生命体を、組み立てることができるようになったのである。

ただ、現段階では、その結合したものを統合するための意思は、産まれ得ない。
と同時に、たとえひとつの共通解がうまれえたとしても、それを実行するための運動能力が一切、備わっていない。

だから、ある意味でこれは、巨大な珊瑚虫を人造しただけ、というべきものなのかもしれない。

[the text inspired from the song "United" from the album "Greatest Hits" by Throbbing Gristle]


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