2007.06.29.23.49

駅に独り 傘持たぬ我の 濡れし肌 君貪る夢 匂ふが如し
<読み>
えきにひとり かさもたぬわれの ぬれしはだ きみむさぼるゆめ におうがごとし
<意味>
傘も持たないで駅にひとりでいるわたしの肌は濡れている。その濡れた肌からは、あなたを貪り喰らう夢が、匂っている様だ。
<解説>
雨に濡れた衣服が乾き始めて放つ匂い、特に、梅雨時特有のむっとする様な、その独特の匂いは、時に耐え難いものがある。作者は、その匂いの中に、己の中に潜む、獣性の様な恋人への欲望を感じ取る。その獣性に関して直接的には作者は言及していないけれども、初句の「駅に独り」から、その欲望を産み出す源は判読出来る。
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