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2013.10.20.12.34

"THE RUTLES" by THE RUTLES

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ザ・ビートルズ (The Beatles) が糞虫 (Dung Beetle) でない様に、ザ・モンキーズ (The Monkees) が猿公 (Monkey) でない様に、ザ・ラトルズ (The Rutles) はロックンロール (Rock And Roll) の古典『シェイク・ラトル・アンド・ロール (Shake, Rattle And Roll)』 [オリジネイターはビッグ・ジョー・ターナー (Big Joe Turner) 1954年発表] でもお馴染の「ガラガラ (Rattle)」という単語を捻って命名された。
では、モンティ・パイソン (Monty Python) と謂う名称は、どこから来たのだろう。

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最初は舐めていたのだ。
このバンドとその音楽、そして彼らの登場から解散までを綴ったドキュメンタリー映画『ラトルズ4人もアイドル! / オール・ユー・ニード・イズ・キャッシュ (The Rutles In All You Need Is Cash)』 [エリック・アイドル (Eric Idle)・ ゲイリー・ウェイス (Gary Weis) 監督作品 1978年制作] が紹介された時のぼくは、殆ど無関心だった。

と、謂うのはザ・ビートルズ (The Beatles) のパロディ (Parody) なんか、その当時もそれ以前も [決して甲虫 (Beetle) ではない] 浮塵子 (Delphacidae) の如くに登場していたからである。
冒頭に登場したザ・モンキーズ (The Monkees) にしてもその音楽面での成果とは別に、コンセプトそのものは正にそれである。
また、日本のモノに限っても、チューリップ (Tulip) も東京ビートルズ (The Tokyo Beatles) もそれに比する事も出来るだろうし、そんな風にあえて名指ししなくても、その発端のGSブーム (Group Sounds : Japanese 60's Garage Punk) そのものもそうだと断罪出来なくもない。
それに第一、本家ザ・ビートルズ (The Beatles) の公認の下に制作されたTVアニメ番組『アニメ・ザ・ビートルズ (Beatles Cartoon』 [ 19651969ABC : American Broadcasting Company放映] も、リチャード・レスター (Richard Lester) が監督した彼らの主演映画2作品 [『ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ! (A Hard Day's Night)』 [1964年制作] と『ヘルプ! 4人はアイドル (Help!)』 [1965年制作] ] も、その傾向がないとは謂えない。
ジョン・レノン (John Lennon) の「ザ・ローリング・ストーンズ (The Rolling Stones) はぼくらから半年遅れている」という語句を引用すれば、ザ・ローリング・ストーンズ (The Rolling Stones) さえもがそのパロディ (Parody) であるという見解に堕しかねないのだ。

それもそれ、19644月4日ビルボードのシングル・チャート (Billboard Hot-100) で上位5曲を独占 (The Fab Four Locked Up The Chart's Entire Top Five) という空前にして絶後 (First And Probably The Last) の記録を遺したが為である。幾ら、仮令、どんな大ヒットが産まれようとも、この記録が破られる事はない。
何故ならば、英米での作品リリースにおける時差がその遠因のひとつになっているからであって、ありとあらゆるモノがリアルタイムでワールドワイドで発売する事が可能な今となっては、逆に絶対な不可能事なのである。

と、ザ・ビートルズ (The Beatles) の事ばかり綴っていていいのだろうか。決して良くはない。つまり、この段落の冒頭の文章を文法上で語れば、反語 (A Rhetorical Question) で書かれているのだ。

そんな玉石混淆 (A Mixture Of Wheat And Chaff ) の有象無象 (A Rabble) の、"ザ・ビートルズのパロディ / The Beatles' Parodies"の中のひとつでしかなかった筈のザ・ラトルズ (The Rutles) が、ぼくにとって違った認識を得たのは、松村雄策 (Yusaku Matsumura) の文章だった。随分昔、雑誌『ロッキング・オン (Rockin' On)』に掲載されたものだ。
それは、今回取り上げた作品の中にも収録されている曲『チーズ・アンド・オニオン (Cheese And Onions)』が、ジョン・レノン (John Lennon) のヴォーカルによる未発表デモ曲として、ザ・ビートルズのある海賊盤 (One Of The Beatles Bootleg Recordings) に収録されているという内容だった。

松村雄策 (Yusaku Matsumura) はその一文で、それに関するみっつの仮説を提示した。
1). ジョン・レノン (John Lennon) のオリジナル楽曲をザ・ラトルズ (The Rutles) がカヴァー 。2). ザ・ラトルズ (The Rutles) の全曲を作詞作曲しているニール・イネス (Neil Innes) の楽曲をジョン・レノン (John Lennon) がカヴァー。 3). ジョン・レノン (John Lennon) のヴァーカル・スタイルを真似て自身の楽曲を歌唱するニール・イネス (Neil Innes) の音源をジョン・レノン (John Lennon) の歌唱曲と勘違いして収録。
以上の3仮説である [3説の記述の順番は必ずしもこの通りではない、とは想う]。

彼らに興味をもったのはそれからなのである。

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そしてそれからなのではあるのだけれども、彼らの楽曲を最初に聴いたのが、シミー・ディスク (Shimmy Disc) 主宰のトリヴュート・アルバム『ラトルズ・ハイウェイ・リヴィジテッド (Rutles Highway Revisited [A Tribute To The Rutles])』収録のカヴァーでの事なのだから、今考えると、その興味の方向は、ちょっと屈折している様な気もする [上記掲載画像を観ればお分かりの様に、ジョン・レノン (John Lennon) の半年遅れ云々をまるで補填するかの様な [そして17年後のその発売日に彼は射殺される]、『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド (Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band)』 [19676月1日発表] のパロディ (Parody) じみたザ・ローリング・ストーンズ (The Rolling Stones) のアルバム『サタニック・マジェスティーズ (Their Satanic Majesties Request)』 [196712月8日発表] のパロディ (Parody) となっている]。
その屈折度は、その作品の趣旨に賛同して参加したバンド群よりも、ザ・ビートルズ (The Beatles)・ナンバーに似て非なる楽曲群を発表した、ユートピア (Utopia) のアルバム『ミート・ザ・ユートピア (Deface The Music)』 [1980年発表] よりも、捻れている様な気もする。
[だから、この駄文を献じて、少しでもその捻れを是正してみようというのが、魂胆のひとつでもある。]

なお、この作品の発表後、ザ・ラトルズ (The Rutles) ではないもしくはザ・ラトルズ (The Rutles) という要素を除外したかたちで、ザ・ラトルズ (The Rutles)・ナンバーの作詞作曲者、ニール・イネス (Neil Innes) の、独立した評価が徐々に確立されて、個人名義の作品も幾つも発表されている。そして何度か、彼の来日公演も実現している。
だから、松村雄策 (Yusaku Matsumura) の楽曲『チーズ・アンド・オニオン (Cheese And Onions)』に対する長年の疑問も、ニール・イネス (Neil Innes) 自身の発言によって、きちんと解明されている。
だけれども、それを拙稿で紹介しようとは想わない。と、謂うのは、彼の語る言葉は真実なのだろうけれども、それが総てを語り尽くしているとは、ぼくは想っていないからなのだ。
未だ謎は遺されているし、さらに深まってしまっている様な気もする。だけれども、それは楽曲『チーズ・アンド・オニオン (Cheese And Onions)』から遥かに離れたモノなのかもしれない。

と、書いてしまうと凄まじく胡散臭いモノ謂いになってしまうので、慌ててつけたすと、曲を創るという行為そのものへの懐疑なのである。

そういう意味では、本作品はザ・ラトルズ (The Rutles) という音楽集団を理解するのには、最初の入口ではあるのだけれども、一端、入ってしまうと少し、物足りない。
それは本作品が、ザ・ビートルズ (The Beatles) の歴史に"なぞらえた"彼らのヒストリー映画『ラトルズ4人もアイドル! / オール・ユー・ニード・イズ・キャッシュ (The Rutles In All You Need Is Cash)』 [エリック・アイドル (Eric Idle)・ ゲイリー・ウェイス (Gary Weis) 監督作品 1978年制作] のサウンドトラック盤『ザ・ラトルズ (The Rutles)』として構成されているからだ。
むしろ、1996年のまるまる1年を費やして行われたザ・ビートルズのアンソロジー・プロジェクト (The Beatles Anthology Project) に"あてつけて"、同年に発表されたアルバム『アーケオロジー (Archaeology)』 [1996年発表] [あえて邦訳すれば「撰集 (Anthology)」に対する「考古学 (Archaeology)」] の方が実は、粒よりの楽曲が揃っているのだ。

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そして最期に付け加えなければならないとすれば、ジョン・レノン (John Lennon) の没後に推進されたザ・ビートルズのアンソロジー・プロジェクト (The Beatles Anthology Project) の"顰みにならって"、『アーケオロジー (Archaeology)』 [1996年発表] では、ポール・マッカートニー (Paul McCartney) に相当するダーク・マクィックリー (Dirk McQuickly) ことエリック・アイドル (Eric Idle) が不在な事である。
ザ・ラトルズ (The Rutles) の音楽面を主体に観れば、どうしても作詞作曲を手がけたロン・ナスティー (Ron Nasty) ことニール・イネス (Neil Innes) に注目せざるを得ない。しかもさらに、ジョージ・ハリソン (George Harrison) に相当するスディッグ・オハラ (Stig O'hara) ことリッキー・ファター (Rikki Fataar) と、リンゴ・スター (Ringo Starr) に相当するバリー・ウォム (Barry Wom) ことジョン・ハルシー (John Halsey) は、ザ・ラトルズ (The Rutles) を離れてもミュージシャンであり、本作品でもふたりは演奏に参加している。
だから、どうしても本業が非ミュージシャンであるところのエリック・アイドル (Eric Idle) の存在は軽視してしまいがちだけれども、彼こそがザ・ラトルズ (The Rutles) の生みの親なのである。アルバム『アーケオロジー (Archaeology)』 [1996年発表] には一切参加していないのにも関わらず、"ザ・ラトルズエリック・アイドルによって想像されて創造された (The Rutles were conceived and created by Eric Idle.)"という記載がある。

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もしも、その信憑性を疑うのならば、映画『ラトルズ4人もアイドル! / オール・ユー・ニード・イズ・キャッシュ (The Rutles In All You Need Is Cash)』 [エリック・アイドル (Eric Idle)・ ゲイリー・ウェイス (Gary Weis) 監督作品 1978年制作] を観てみればいい。
そこでの、ダーク・マクィックリー (Dirk McQuickly) ことエリック・アイドル (Eric Idle) の立ち居振る舞いは、どう観ても、ポール・マッカートニー (Paul McCartney) が時折観せる、彼の嫌な面である。それが悪魔的にそっくりなのだ。
と、書いてしまうと、凄まじく誤解を生んでしまいそうだ。
嫌な、というのが語弊であるならば、ジョン・レノン (John Lennon) が決してしない様な行為と言い換えてもいいし ... 、と書くとさらなる語弊を生じてしまうのか。
つまり、自身の楽曲『ハウ・ドゥ・ユー・スリープ? [眠れるかい?] (How Do You Sleep?)』 [アルバム『イマジン (Imagine)』収録 1971年発表] で揶揄している様な、彼のおおきな眼に代表される様なモノ、である。
[上記掲載画像はポール・マッカートニー (Paul McCartney) のソロ第2作『ラム (Ram)』 [1971年発表] とジョン・レノン (John Lennon) のソロ第2作『イマジン (Imagine)』収録 1971年発表] に封入されたポストカードである。]

ものづくし(click in the world!)133. :
"THE RUTLES" by THE RUTLES


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"The Rutles" by THE RUTLES

1. GOOSE-STEP MAMA
 (from The Silver Rutles' Demo Sessions, previously unreleased)
2. NUMBER ONE
 (Parlourphone single R #4949. 10/5/62)
3. BABY LET ME BE
 (from Parlourphone EP "Twist And Rut" GEP #8882. 7/12/63)
4. HOLD MY HAND
 (from the Parlourphone LP "Meet The Rutles" PCS #3045. 11/22/63))
5. BLUE SUEDE SCHUBERT
 (from the Parlourphone LP "Meet The Rutles" PCS #3045. 11/22/63)
6. I MUST BE IN LOVE
 (Parlourphone single R #5114. 3/20/64)
7. WITH A GIRL LIKE YOU
 (from the Parlourphone LP "A Hard Days Rut" PCS #3058. 7/10/64)
8. BETWEEN US
 (from the Parlourphone LP "A Hard Days Rut" PCS #3058. 7/10/64)
9. LIVING IN HOPE
 (from the Parlourphone LP "Rutles For Sale" PCS #3062. 12/4/64)
10. OUCH
 (Parlourphone single R #5305. 7/23/65)
11. IT'S LOOKING GOOD
 (from the Parlourphone LP "Rutle Soul" PCS #3075. 12/3/65)
12. DOUBLEBACK ALLEY
 (Parlourphone single R #5570. 2/17/67)
13. GOOD TIMES ROLL
 (from the Parlourphone LP "SGT. Rutter's Only Darts Club Band" PCS #7027. 6/1/67)
14. NEVERTHELESS
 (from the Parlourphone LP "SGT. Rutter's Only Darts Club Band" PCS #7027. 6/1/67)
15. LOVE LIFE
 (Parlourphone single R #5620. 7/7/67)
16. PIGGY IN THE MIDDLE
 (Parlourphone single R #5655. 11/24/67)
17. ANOTHER DAY
 (from the Rutle LP "The Rutles" PCS 7067/8. 11/22/68)
18. CHEESE AND ONIONS
 (from the Rutle Soundtrack LP "Yellow Submarine Sandwich PCS #7070. 1/17/69)
19. GET UP AND GO
 (Rutle single R # 5777. 4/17/69)
20. LET'S BE NATURAL
 (from Rutle LP "Shabby Road" PCS #7088. 9/26/69)

All selections written by Neil Innes.

Original Recordings Produced by : NEIL INNES
Produced for Compact Disc by : BiLL INGLOT
Reissuing Coordination : HAROLD BRONSON and GARY STEWART
Recorded at CHAPPELL STUDIOS, London
Engineer : STEVE JAMES
Additional Tracks for CD Reissue (1, 3, 5, 8, 11, 19) Mixed at CHAPPELL STUDIOS by LARRY WALSH and BiLL INGLOT
Digital Prep & Transfers : BiLL INGLOT and KEN PERRY

MUSICIANS :
NEIL INNES Guitar / Keyboards / Vocals
OLLIE HALSALL Guitar / Keyboards / Vocals
RIKKI FATAAR Guitar / Bass / Sitar / Tabla / Vocals
JOHN HALSEY Percussion / Vocals
ANDY BROWN Bass
JOHN ALTMAN Brass and String Arrangements

Reissue Design : DOUG ERB
Original Album / Booklet Concept : ERIC IDLE
Design : BASIL PAO
Art Direction : TONY COHEN
Art Work : DENNIS HAWKINS
Photography : DAVID STRICKLAND
Additional Photos : DAVID GAHR

Contains Music from the soundtrack of the NBC TV Special "All You Need Is Cash"
Directed by GARY WEIS and ERIC IDLE
Executive Producer : LORNE MICHAELS

"AN ABOVE AVERAGE / IDLE WEIS PRODUCTION"

The Rutles are :
Dirk McQuickly ..... ERIC IDLE
Ron Nasty ..... NEIL INNES
Stig O'hara ..... RIKKI FATAAR
Barry Wom ..... JOHN HALSEY

with the original liner-notes (the history of the Rutles) and "AN INTERVIEW WITH MICK JAGGER"

(P) 1987 & 1990 Warner Bros. Records Inc., produced under license from Warner Bros. Records Inc., (C) 1990 Warner Bros. Records Inc.

附記:
各収録楽曲のクレジットにそのオリジナル収録盤のレコード番号と発売日が記載されているのだけれども、それをひとつひとつクリックしてみると、その念の入り様が立ち所に理解されるのに違いない。
猶、オリジナルLPとぼくが入手した再発CDはジャケット・デザインが異なり、今回掲載したのは後者である。ヴィジュアル面に関して謂えば、お楽しみは前者の1/4という事になるが、描く手間としては恐らくさらに極端に少なくなるだろう。
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