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2013.08.27.05.40

すもももももももものうち

早口言葉 (Tongue-twister) のひとつ。
でも、こうやって文字入力してみると、タイプ・ミス (Typographical Error) を誘発させるシステムも起動させてしまって、別の難しさやややこしさも、この言葉にはある様だ。
とはいえ、タイピングの練習 (Typing Test) には不向きだと想うんだよね。使うキーが、"smonuchi"だけだから。

さて、この言葉に登場するふたつの果実を選んでみて、本当にそれらが共通の要素を共有しているのだろうか、と、自問してみても、答えはいつもあやふやだ。

だから、実際に調べてみる事にした。

(Prune) は、バラ科 (Rosaceae) サクラ属 (Prunus) の落葉小高木で、中国原産 (China Plants)。
開花期は初春で白い花が咲き、その実がなる収穫期は品種によって異なるが、6月下旬から9月となる。
ちなみに、季語は夏
志太野坡 (Shida Yaba) 『毒を盛る親はなみだのすももかな』。

(Peach) は、バラ科 (Rosaceae) モモ属 (Amygdalus) の落葉小高木。中国原産 (China Plants)。
開花期は初春で淡い紅色の花が咲き、その実がなる収穫期は品種によって異なるが、7月から8月となる。
ちなみに、季語は、"桃の花"ならば春の季語、"桃の実"ならば秋の季語となる。
与謝蕪村 (Yosa Buson) 『喰うて寝て牛にならばや桃の花』。
鈴木真砂女 (Suzuki Masajyo) 『白桃に人刺すごとく刃を入れて』。

さて、これで、 (Prune) と (Peach) が、類縁か否かと問うてみても、やっぱりよく解らない。
同じバラ科 (Rosaceae) である、と断言してそれで総て良しとしてみたい誘惑に駆られなくもないが、それを言い出すと途端にどこからかきっと、横槍が入るのに違いない。
それならば、"「すもももももも」ばらのうち"でしょう? と。

そんな横槍を論破しようとするのならば先ず、サクラ属 (Prunus) とモモ属 (Amygdalus) の近い / 遠いを調べるのにしくはないのだけれども、いきなり専門書を開いて、カール・フォン・リンネ (Carl von Linne) の二名法 (Binomial Nomenclature) を付焼き刃にしようとしても、たかが知れている。
(Species) の上位概念が (Genus) であり、 (Genus) の上位概念が (Family) である事はすぐに解るのであるのだけれども、そんな相対的な地位ではなくて、絶対的な定義を求めようとしても、そこへと辿り着く道筋が、なんとなく、断絶している。
いや、それはもしかしたら、ぼく自身の読解力の至らなさに由来するモノなのかも知れないのだけれども。

だから、ちょっと遠回りをしてみる。類推 (Analogy) という手法だ。もしかしたら帰納 (Induction) かもしれない。

ぼく達人類 (Homo sapiens) は、分類学 (Taxonomy) 上、ヒト科 (Hominidae) のヒト亜科 (Homininae)、そのヒト属 (Homo) である。
一方で、ゴリラ (Gorilla) は、同じくヒト科 (Hominidae) のヒト亜科 (Homininae) であって、ゴリラ属 (Gorillas) である。
(Genus) の違いは、これだけの近さないしは遠さがあると、想うのだが如何だろうか。

中には、我々人類 (Homo sapiens) を、そんなゴリラ (Gorilla) と並べて語るなと、お怒りになる方々がいるかもしれない。
だけれども、もしかしたら、ゴリラ (Gorilla) の方こそ、我々を絶滅の危機 (In The Red List) に追いやっているモノ達と同列に語るなというクレームを差し挟みたいのかもしれないのだ。
いずれにしたって、ゴリラ (Gorilla) と似た様な、もしくは、ゴリラ (Gorilla) にも劣る様な御仁は、この世に蔓延っている事は否定出来ない。しかも、それ以前に「ゴリラ (Gorilla) と似た様な、もしくは、ゴリラ (Gorilla) にも劣る様な」という物謂い自体が、ゴリラ (Gorilla) に対しては差別的な発言になってしまうのも、打ち消しがたい事実なのである。
だからと謂って、如何にも不平等感を是正しようとして慌てて、"人類 (Homo sapiens) と似た様な"とか"人類 (Homo sapiens) にも劣る"という修辞を繰り出したとしても、その時には既に、もう手遅れなのだ。

話が随分とずれてしまっている。

(Genus) が違うとは、どおゆう事なのか、という事は、これで解っていただけたと想う。

少なくとも、ぼく達人類 (Homo sapiens) とゴリラ (Gorilla) 達の間では、ぼく達人類 (Homo sapiens) 同士の間で通用するコミュニケーションの方法をそのまま、彼らに対して試みてみても、先ず、通用しない。
ゴリラ (Gorilla) と似た様な、もしくは、ゴリラ (Gorilla) にも劣る様な」という差別的な発言をしているのにも関わらず、差別された側である彼ら、もしくは、彼らを擁護したり援助したりする側から、糾弾もされなければ、謝罪や撤回を要求されないのも、それ故だ。

だから、"「すもももももも」もばらのうち"と、謂う事は出来ても「すもももももももものうち」とは、決して断定は出来ない筈なのである。少なくとも、分類学 (Taxonomy) 上では。

images
上記掲載画像は、黄慎 (Huang Shen) の『春夜宴桃李园图 (At A Party In Peach And Plum Orchard At A Spring)』。
その題名にある様に、李白 (Li Bai) の『春夜宴桃李園序 (At A Party In Peach And Plum Orchard At A Spring)』を画題としたモノであろう。

次回は「」。

附記 1.:
"桃李"という言葉がある。既に出た『春夜宴桃李園序 (At A Party In Peach And Plum Orchard At A Spring)』や『桃李不言下自成蹊 (Good wine speaks for itself.)』等の成句でお馴染みのモノだ。
一方で、"桜桃"という言葉がある。
この言葉をそのままふたつ、" (Peach)"を中心に据えてみれば、" (Prune)"と" (Cherry Blossom)"は、それぞれにとって対象的な存在の様に想えてしまうが、果たして、そんな認識で良いのだろうか?
良い訳がない。
"桃李"は、正しく文字通りの (Peach) と (Prune) の事だけれども、"桜桃"は (Cherry Blossom) と桃の事ではなくて、桜桃 (Cherry) という植物の名。分類上はバラ科 (Rosaceae) サクラ属 (Prunus) の中のサクラ亜属 (Subg. Cerasus) である。
季語は夏
三橋鷹女 (Mitsuhashi Takajyo) 『桜桃のみのれる国をまだ知らず』。
毎年6月19日は、太宰治 (Osamu Dazai) の誕生日であると同時に、入水した遺体が発見された日。彼の短編小説『桜桃 (Cherries)』[1948年発表] からとって、桜桃忌 (Anniversary Of Dazai Osamu's Birthday) が執り行われる。
こちらも季語は夏
寺山修司 (Shuji Terayama) 『他郷にてのびし髭剃る桜桃忌』。

附記 2.:
前項に登場した (Cherry Blossom) に加えてさらに、 (Plum) を加えると"桜梅桃李 (Cherry-plum-peach-apricot : Everyone has a unique mission that only they can fulfill.)"という四字熟語も出来てしまうが、例えば"春夏秋冬 (The Four Seasons)"や"老若男女 (Ladies And Gentlemen, The Olders And Youngers)"の様な、均衡したよっつの指向をもったモノと解しても良いのだろうか?
残念でした。
"東西南北 (North, South, East And West)"それぞれの方位に、青龍 (Azure Dragon)・白虎 (White Tiger)・玄武 (Black Tortoise)・朱雀 (Vermilion Bird) の四神 (The Four Symbols) が控えている様に、"桜梅桃李 (Cherry-plum-peach-apricot : Everyone has a unique mission that only they can fulfill.)"が配されている。なぁんて事は、あり得ないのだ。
出典は、日蓮 (Nichiren) の『御義口伝 (The Record Of Orally Transmitted Teachings)』 [1278年に口述筆記] らしい。
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