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2013.07.30.04.27

らっぱ

乱波 (Rappa) という漢字をあててしまうと、戦国期 (Sengoku Period) に活躍した技能集団、つまり、今で謂う忍者 (Ninja) の事である。
今回はそちらには触れずに、もうひとつの"らっぱ (Rappa)"、つまり同音異義語 (Homonym) の方について綴ってみる事にする。
即ち、喇叭 (Bugle) である。

喇叭 (Bugle) とは、なにか。
具体的な事物を呈示すれば、トランペット (Trumpet)、コルネット (Cornet)、ホルン (Horn) 等である。つまり、金管楽器 (Brass Instrument) の謂いだ。

と、断言してしまうと、サックス (Sax)、正式名称で謂うところのサクソフォーン (Saxophone) も、その中に遇するのでは、と勘ぐる向きもあるだろうが、残念ながら、あれは木管楽器 (Woodwind Instrument) だ。金管楽器 (Brass Instrument) でもなければ、喇叭 (Bugle) でもない。

この楽器は、木管楽器 (Woodwind Instrument) の音色を金管楽器 (Brass Instrument) の音量で演奏出来ないか、そんなコンセプトの基に、1846年、アドルフ・サックス (Antoine-Joseph "Adolphe" Sax) によって発明された。だから、木管楽器 (Woodwind Instrument) なのである。
と、ざっくりとした説明がなされ、それで一応、その論議は終止符がうたれる。通常の場合は。

だけれども、往々にして、通常でない場合もあって、ここでは通常でない場合を試みてみよう。

金管楽器 (Brass Instrument) の音量を活かして猶、木管楽器 (Woodwind Instrument) の繊細な音色を再現出来ないか、そおゆう逆の視点で観れば、サクソフォーン (Saxophone) は、金管楽器 (Brass Instrument) である、と断定出来るのではないだろうか。
そんな疑問を掲示してみよう。

一見、単なる言いがかりにしかみえない。
勿論、言いがかりでしかない。しかも、単なる。

だけれども、ここで行っているモノは、思考実験の様なモノでもあるし、実際にここで説明がなされているモノゴトは、その出自に由来をとっていて、なんの根拠もないところから、一方を母親と謂い、他方を父親と言っているのにすぎない。性差を主張するのであるのならば、さもなければ、優先位の存在を主張するのであるのならば、そこはきちんと定義を定める / 求めるのが筋合いではなかろうか。

金管楽器 (Brass Instrument) と木管楽器 (Woodwind Instrument) の差異は、その材質だけに委ねられるモノではない。例えば、フルート (Flute) は厳然たるかたちで、木管楽器 (Woodwind Instrument) に分類されるモノだけれども、現在、その殆どは金属製だ。
それに関しては、古来、フルート (Flute) は木製であり、それの名残だと謂う向きも登場してきて、ここでまた別なかたちで出自に依拠する論拠が横行してきて、ああ横柄だなあと想えてしまう。
けれども、横柄にも横行する、その論拠にそのまま従ってしまい、サクソフォーン (Saxophone) は、1846年にアドルフ・サックス (Antoine-Joseph "Adolphe" Sax) によって発明された時からずっと、金属製なのだから、と、語りだしてしまえば、サクソフォーン (Saxophone) は金管楽器 (Brass Instrument) となってしまう。

だから、やっぱりここでも、出自に解決を求める事には、無理がある事が判明する。

その楽器が金管楽器 (Brass Instrument) なのか木管楽器 (Woodwind Instrument) なのか、その分別のよるべきところは、その楽器の構造にあるのだ。

とは謂うものの、いくつもある金管楽器 (Brass Instrument) と木管楽器 (Woodwind Instrument) をずらりと並べて、その大小や長短を根拠にふたつに分類しようとしても、単純に外見だけでは、現行の分類と同様のモノ、すなわち、正しい解 [勿論、今回の疑義に対しての正しい解というモノがあると仮定しての話だけれども] に辿り着くのは、困難なモノに想われる。
管が直線構造をしているソプラノ・サックス (Soprano Saxophone) は木管楽器 (Woodwind Instrument) で、それ以外のサクソフォーン (Saxophone) は管が曲線をなしているからこちらは金管楽器 (Brass Instrument) だ、なぞと無茶を主張したくなるのも、やむ終えない話ではある。

だから、外見的な印象論ではなくて、結局、構造論的なアプローチ (Structuralisme) が必須ではないだろうかと、語りだしてはたと気づくのは、ここで導入しようとしているのは、音楽における構造論的なアプローチ (Structuralisme in Musique) ではなくて、生物学におけるそれ (Process Structuralism) ではないだろうか、と、ややこしい話がさらにややこしくなりそうな気がする。

否、そうではなくて、先ず、個々の楽器の一部分に注目してみよう。
演奏者の唇部が触れる楽器の部位、即ち、マウスピース (Mouthpiece) をみてもらいたい。
そこにリード (Reed) という切片が用いられているモノと、そうでないモノがあると解るだろう。
リード (Reed) を用いない楽器が金管楽器 (Brass Instrument) であり、リード (Reed) の有る楽器が木管楽器 (Woodwind Instrument) である。
この分類に従えば、自ずと、サクソフォーン (Saxophone) は木管楽器 (Woodwind Instrument) へと、分類可能だ。

めでたし。めでたし。

と、益体も無い議論を終了させようと想った矢先に、きっと誰かがこう口火を切るのに違いないのだ。しかも、先程に反証めいたかたちで登場させたあれを、持ち出して。

フルート (Flute) には、リード (Reed) がない。と、謂う事は、フルート (Flute) は金管楽器 (Brass Instrument) でしょうか、と。

ここで、面倒ぐさがって、モノゴトにはなんでも例外があるモノなのだ。と、ふと、大人の分別を導入してはいけない。そんな世の中の理不尽をさも解りきった様な面構をしたいのであるのならば、サクソフォーン (Saxophone) が登場した際に発言すべきなのだ。もう、この時点では、遅きに失していると謂われても仕様がない。

だから、楽器の部位に着目しても、なんの解決策にもならないと、ここで判明する。
やはり、構造論的なアプローチ (Structuralisme) が必須なのだろうか。

これから綴る事がその構造論的 (Structuralisme) なうんちゃらかんちゃらか否かは即断出来ないのだけれども、金管楽器 (Brass Instrument) と木管楽器 (Woodwind Instrument) の差異は、次の様な説明で、解決出来るのではないだろうか。

images
ここに1本の筒 (Pipe) がある。
棒 (Stick) ならば、安部公房 (Kobo Abe) だけれども、筒 (Pipe) だ。
これが、マイルス・デイヴィス (Miles Davis) ならば1986年発表のアルバムデズモンド・ムピロ・ツツ (Desmond Tutu) に捧げた作品である。

その筒 (Pipe) の、一方の端を口先にあてがって、メガホン (Megaphone) の様に息を吹き込む。これが金管楽器 (Brass Instrument) だ。真っ直ぐな筒 (Pipe) のかたちだけでは、自身の声は吐く息そのものの音量と音質しか出ないから、筒 (Pipe) の大小や長短、もしくはその形状を工夫する事によって、新たな音量と音質を獲得を可能としているのだ。実際に、金管楽器 (Brass Instrument) の初心者は、手にした楽器を鳴らすのに困難を要し、吐く息だけの音しかしない、という点を考えれば、決して、これは突飛な比喩ではない。

そして、その筒 (Pipe) の口先を下唇の直下にあてて、息を吹き込むのが、木管楽器 (Woodwind Instrument) である。瓶の口先に唇をあてがって息を吹き込んで、音を鳴らす、あれだ。
今、口にあてている筒 (Pipe) を横倒しにしてみれば、それがフルート (Flute) と看做す事が出来るだろう。
さらに、リード (Reed) は、その吹法によって供給される息の量と質を安定化させると同時に、その呼気の振動を増幅させる機能をそこで果たす。ある意味、筒 (Pipe) の吹法を安定化させて容易くさせるガイドライン的なモノと看做しても、差し支えないのではないだろうか。

恐らく、この観点から、金管楽器 (Brass Instrument) と木管楽器 (Woodwind Instrument) の差異は、殆ど説明がつくと想う。

呼気を利用して鳴動させて、音を発する器具や装置は、この観点を利用すれば、金管楽器 (Brass Instrument) と木管楽器 (Woodwind Instrument) のいずれかへと、分類可能なのではないだろうか。

修験者 (Shugenja aka Yamabushi) 必携の法螺貝 (Horagai) や、各種スポーツの審判がもつホイッスル (Whistle) は金管楽器 (Brass Instrument) に分類され得るだろうし、スコットランド (Scotland) の民族楽器バグパイプ (Bagpipes) や初等音楽教育で誰もが所持したリコーダー (Recorder) は、木管楽器 (Woodwind Instrument) と分類され得るだろう。

斯様に、生物の死骸やその一部、もしくはその対極にある様な人工物、合成樹脂 (Synthetic Resin) かなにかがその素材であったとしても、金管楽器 (Brass Instrument) と木管楽器 (Woodwind Instrument) のいずれかに分類出来るのだ。

ちなみに、金管楽器 (Brass Instrument) に対しての喇叭 (Bugle) という謂いを援用すれば、木管楽器 (Woodwind Instrument) に対しては、 (Flute) という言葉がある。

次回は「」。
この連載の冒頭で、ぼく達に馴染みのある光景としては、"らっぱ (Rappa)"の次は、既に確定している筈だけれども、果たして。
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