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2008.01.20.00.04

『ビッグ・ヒッツーハイ・タイド・アンド・グリーン・グラス』 by ザ・ローリング・ストーンズ["Big Hits (High Tide and Green Grass)" by The Rolling Stones]

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ザ・ローリング・ストーンズThe Rolling Stones)最初のベスト・アルバム『ビッグ・ヒッツーハイ・タイド・アンド・グリーン・グラス[Big Hits (High Tide and Green Grass)]』は、米盤1966.04.発売)と英盤1966.11.発売)とでは、選曲が異なっている上に、ジャケット・デザインも異なる訳だけけれども、日本国内で発売されたヴァージョンは後者が先なので、当然のごとく、そちらの方の紹介となる。
米盤の方が先行発売である事や、使用されたジャケット写真がいわくつきの由緒正しい写真(参照の事)である事や、英盤が選曲的にどうよ?てな作品ではあるのだけれども、なにせ、ずうっとずうっと聴き倒した作品だから仕様がない。

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1965年12月、米国ツアーから帰国したバンドは、映画『Back,Behind and in Front』の制作を開始する。映画制作は頓挫したが、その映画の為に準備した新曲「19回目の神経衰弱(19th Nervous Breakdown)」をフィーチャーしたアルバム『Could You walk On The Water?』を企画する。しかし、ちょうどジョン・レノン(John Lennon)の「ビートルズはキリストよりも有名...」発言(the "Bigger Than Jesus" scandal)が物議を醸していた頃、アルバム・タイトルにあるYouという代名詞がイエス・キリストJesus Christ)とジョンの発言(the "Bigger Than Jesus" scandal)を想起させる為に、彼らの所属レコード会社デッカ・レコード(Decca)が企画変更を申し入れる。こうしたごたごたの中で、米国での彼らの作品の発売元であるロンドン・レコード(London Records)は、新曲「19回目の神経衰弱(19th Nervous Breakdown)」をフィーチャーしたベスト・アルバム発売を決定する。そのジャケット写真に使用されたのが、当初『Could You walk On The Water?』用に用意されたものなのである。

ところで、今では、デッカ・レコード(Decca)時代の彼らのシングル・ナンバーを発表順に全曲収録した『Singles Collection: The London Years』もあって便利なんだけれども、それでも、このベストを忘れる訳にはいかない。それは、個人レベルでの愛着云々というのもあるのだけれども、それよりも、このへんてこな??曲順が良いのである。

選曲されたのは、当時のヒット・ナンバーばかりを収めたものだけれども、レノン=マッカートニー(Lennon - McCartney)の「彼氏になりたいI Wanna Be Your Man」もなければ、初のジャガー=リチャード(Jagger - Richard)・ナンバーでのヒット曲である「テル・ミーTell Me)」もないのだ。
その代わり、最新シングル・ナンバーの「マザー・イン・ザ・シャドウ(Have You Seen Your Mother,Baby Standing In The Shadow?)」が、アルバム冒頭を飾っている。
その結果、ザ・ローリング・ストーンズThe Rolling Stones)の代表曲集というよりも、作品発表時の1966年という匂いをぷんぷんさせているのだ。

Singles Collection: The London Years』の様な編年体で綴ったベスト・アルバムならば、米黒人音楽のカヴァーから次第にオリジナルな作風を築き上げ、ロックンロール・バンドの頂点に昇り詰めた現在への最初のマイルストーン(milestone)として、聴く事も出来たかもしれない。
でも、そんな選曲ではないのだ。
サイケデリックな装いをまとったブルース・ナンバー(もしくはその逆)の、「マザー・イン・ザ・シャドウ(Have You Seen Your Mother,Baby Standing In The Shadow?)」「黒くぬれ!Paint It,Black)」と二連発、デヴュー曲である「カム・オンCome On)」と当時の彼らの最大のヒット・ナンバー「サティスファクション(I Can't Get No) Satisfaction)」をフックとして、最期は渋いブルースのカヴァーでシメる。
(当時の)ザ・ローリング・ストーンズThe Rolling Stones)が等身大で収められています。

ところで、ジャケット写真に写るブライアン・ジョーンズ(Brian Jones)の左手にまかれた包帯から、彼の不幸な最期を解読する説明がありますが、他の4人とは異なるファッション、他の4人から握り拳数個分離れた佇まい、そして、画面左に写り込むマイクロフォンの先が誰に向けられているのか、など、この写真に潜む「謎」は、数限り無く存在しています。
もちろん、彼はバンド結成時には名実共にリーダーであったので、ヴィジュアル面でも、常に他のメンバーとの差異化は図られていました。しかし、その差異化が、彼をフィーチャーする目的から孤立化させるコードCodes)へと転化したのはいつなのか? そんな事をふと考えさせる写真です。

さて、通常ならば、このシリーズはジャケットに記載したクレジットを列挙していくわけですが、ベスト盤という事もあり、最低限度のものしかなされていません。そこで、ここはベスト盤らしく全曲Youtube画像を掲載してみました。極力、楽曲発表時の映像を捜してみましたので、エリック・クラプトンEric Clapton)をゲストに迎えた「リトル・レッド・ルースター(Little Red Rooster)」なんていうある種のファンにとっては垂涎な作品は、ここではあえて紹介しません。

1960年代前半を突っ走る彼らをお楽しみ下さい。

ものづくし(click in the world!)64.:
『ビッグ・ヒッツーハイ・タイド・アンド・グリーン・グラス』
by ザ・ローリング・ストーンズ
["Big Hits (High Tide and Green Grass)" by The Rolling Stones]


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Big Hits (High Tide and Green Grass)

FULL FREQUENCY STEREOPHONIC SOUND
RECORDED BY THE DECCA RECORD CO.,LTD. LONDON,S.E.I.,ENGLAND

ーSIDE Aー


1.マザー・イン・ザ・シャドウ*
 HAVE YOU SEEN YOUR MOTHER,BABY STANDING IN THE SHADOW? (2:37)
 (Jagger,Richard)


2.黒くぬれ!*
 PAINT IT,BLACK (3:21)
 (Jagger,Richard)


3.イッツ・オール・オーヴァー・ナウ*
 IT'S ALL OVER NOW (3:20)
 (B. Womack,S. Womack)


4.ザ・ラスト・タイム*
 THE LAST TIME (3:25)
 (Jagger,Richard)


5.ハート・オブ・ストーン*
 HEART OF STONE (2:48)
 (Jagger,Richard)


6.ノット・フェイド・アウェイ*
 NOT FADE AWAY (2:00)
 (Petty,Hardin)


7.カム・オン*
 COME ON (1:48)
 (Berry)

ーSIDE Bー


1.サティスファクション*
 (I CAN'T GET NO) SATISFACTION (3:46)
 (Jagger,Richard)


2.一人ぼっちの世界*
 GET OFF OF MY CLOUD (2:58)
 (Jagger,Richard)


3.アズ・ティアーズ・ゴー・バイ*
 AS TEARS GO BY (2:45)
 (Jagger,Richard,Oldham)


4.19回目の神経衰弱*
 19th NERVOUS BREAKDOWN (3:57)
 (Jagger,Richard)


5.レディー・ジェーン
 LADY JANE (3:04)
 (Jagger,Richard)


6.タイム・イズ・オン・マイ・サイド*
 TIME IS ON MY SIDE (3:00)
 (Maede,Norman)


7.リトル・レッド・ルースター*
 LITTLE RED ROOSTER (3:07)
 (Dixon)

*印の曲はエレクトリック技術操作によりモノラルをステレオ化したものです。
The tracks marked * are mono recordings electronically to give stereo effect on stereo equipment.
The remainder of the tracks are true stereo.
This record can be played on mono reproducers provided either a compatible or stereo cartridge wired for mono is fitted.
Recent equipment may already be fitted with a suitable cartridge.
If in doubt consult your dealer.

僕の持っている日本盤アナログLPには、エッセイ『荒れた海辺で』(井上光晴)、訳詩(宮原安春)、作品解説(三宅はるお)が収められている8ページ・ブックリーフが添付されています。
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>丸義さん

Stones Blogは、世界中に相当数あるから、その中ではまだまだ「ちょこざいな」な存在ですよ。
Stonsファン各々で、好きな時代、好きな楽曲、好きなメンバー様々ですし。

でも、楽しんで頂けると幸いです。
いつも、ありがとうございます。

2008.01.20.20.19. |from たいとしはるfeat.=OyO=| URL


ローリング・ストーンズといえば、
迷わず、このBLOGに来ます!
まだまだストーンズを知らないので
(昔から知りたいとは思ってたのですが・・・)
また読みに伺いますね。

2008.01.20.19.56. |from 丸義| URL [edit]

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