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2013.05.19.16.45

"STAIN" by LIVING COLOUR

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ファンカデリック (Funkadelic) の幾つもある名曲のひとつに『ファンク・バンドがロックを出来ないなんて誰が言ったんだ (Who Says A Funk Band Can't Play Rock?!)』 [アルバム『ワン・ネイション・アンダー・ア・グルーヴ (One Nation Under A Groove)』収録 1978年発表] がある。
リヴィング・カラー (Living Colour) というバンドは、この曲の主張を忠実に実行しようという試みである。

と、同時にまた、スライ・アンド・ファミリー・ストーン (Sly And The Family Stone) の名盤『スタンド! (Stand!)』 [1969年発表] 収録楽曲の『ドント・コール・ミー・ニガー・ホワイティー (Don't Call Me Nigger, Whitey)』での言説を、不可避なモノとして、体現しているのが、リヴィング・カラー (Living Colour) が中心となって展開されたブラック・ロック・コーリューション(The Black Rock Coalition) に基盤を置いたムーヴメントなのである。

黒人 (Negroid) がロックン・ロール (Rock And Roll Music) をパフォームするという事、そして敢てそれを宣言する事が、どおゆう意味合いを持つのか、それをぼく達がきちんと把握し、認識する事は、とても難しいモノの様に想える。
それは、黒人 (Negroid) である事がマイノリティであるのと同様に、ロックン・ロール (Rock And Roll Music) を演奏するという事もまた、マイノリティの発露ではなかろうか、そんな認識が前提となっている様な気がするからなのである。

ロックン・ロール (Rock And Roll Music) は決して体制側に組するモノでもない。むしろ、意図する意図せざると関わらず、意識的であろうと無意識であろうと関わらず、世の中の枠組みからはみ出してしまったモノ達が奏でる音楽なのである。

[いいかい、よくお聞き。仮令、何百億何千億という収益があって、世の中の大半の人々にとっての娯楽として機能していても、その地位に安住する事が決して許されない音楽が、ロックン・ロール (Rock And Roll Music) なのだ。仮令、牙を抜かれ角を折られ去勢されて、飼いならされてしまったとしても、いつの日にか、その復讐を果たしに顕われるのが、ロックン・ロール (Rock And Roll Music) なのだ。]

しかもそれは夢のまた夢でもない、見果てぬ夢でも、決して顕われれる事のない理想郷でもない。何故ならば、ジミ・ヘンドリックス (Jimi Hendrix) という、神にも悪魔にも呪われると同時に祝福されたモノがいるからだ。彼の境地に達するのは、決して容易いモノでもないし、彼自身、その為に、己を消耗させ、あっという間に蕩尽し尽くしてしまった。
だが、決して不可能ではないのだ。彼は現にそれを体現させたのだから。

と、ここまで、とても怪しげな、呪いの呪文の様な戯言をほざいて来てしまったけれども、リヴィング・カラー (Living Colour) という黒人 (Negroid) 4人組のバンドは、それを如何に具体的なモノとして提言出来るのか、そのテーゼの立証、ただその一点にのみ組している様に想える。

本来ならば、デヴュー当時の彼らに向けられた絶賛の言葉"黒いレッド・ツェッペリン (Black Led Zeppelin)"を欲しいままにして、シーンの頂点に君臨していてもおかしくないのである。
にも関わらずに、それを妨げるナニかが存在している。
ミック・ジャガー (Mick Jagger) の肝煎で彼のバンド、つまりザ・ローリング・ストーンズ (The Rolling Stones) のスティール・ホイールズ・ツアー (Steel Wheels Tour) [1989年決行] の、そのオープニング・アクトに引き立てられながらも、その好機を最大限に有効に活用し損ねている様に想えるのは何故か [同じ様に1981年にオープニング・アクトに引き立てられ、そのパフォーマンスはブーイングの嵐だったのにも関わらずに、後に大ブレイクを果たしたプリンス (Prince) という存在もあるのに]。

何故だか、隔靴掻痒の感が拭えないのだ、ぼくの眼から観れば。

どの作品も、常に次なる新たな可能性がいくつも啓示されていながら、その可能性が自作において、引き継がれ、現実化される事がない。でも、だからと言って、後退や撤退が観られる訳でもないのだ。常に、新しいヴィジョン、期待すべきアイデアがそこにあるのだ。
つまり、萌芽ばかりがそこにあり、発展や継承を観る事がないのである。

4人のメンバー全員が、高度な音楽性とそれを実現するための演奏力を持っているのにも関わらず、それを充分に活かしきれていない様な気がしてしまう。
否、違うな。それとは逆だ。
もしかしたら、それらが最も大きな障壁に、なっているのかもしれない。

バンドのリーダーである、ヴァーノン・リード (Vernon Reid) の師匠筋にあたるソニー・シャーロック (Sonny Sharrock) の演奏を聴くと、こいつ何にも考えていないんぢゃあないのと疑いたくなる程に、本能的なモノ、根源的なモノ、肉体的なモノ、そんなモノばかりが響き渡る。
だけれども、ヴァーノン・リード (Vernon Reid) の演奏は、それとは隔絶したモノばかりを感じてしまう。総ての音に意義があり、総ての音には理由がある。
ヒトはそれを知性的と呼ぶかもしれないが、知性的であるが故に、ある種の可能性を自ら放棄してしまっている様にも想える。

"黒いレッド・ツェッペリン (Black Led Zeppelin)"ではなくて、"黒いメタリカ (Black Metallica)"を目指すべきだったのだ。
[とは言うものの、同じくブラック・ロック・コーリューション(The Black Rock Coalition) との連動する動きを魅せていた、そして本来"黒いレッチリ (Black Red Hot Chili Peppers)"とも呼ばれるべき、フィッシュボーン (Fishbone) にも、苦闘の連続があるのだけれども]

本作品は、1993年発表の第3作。
音楽性の違いを理由に脱退したベーシスト、マズ・スキリングス (Muzz Skillings) の代わりに、タックヘッド (Tackhead) のダグ・ウィンビッシュ (Doug Wimbish) が新メンバーとして加わった。
その結果、バンドの方向性は汎ブラック・ミュージック (Pan-Black Music) 的な、より広範な土壌へと向かう事になり、ぼく個人の嗜好では、この変化は大正解なのだ [いや、マズ・スキリングス (Muzz Skillings) はマズ・スキリングス (Muzz Skillings) でありなんだよ、前作や前々作ならばマズ・スキリングス (Muzz Skillings) で問題ないんだよ、優劣の問題ぢゃあなくて方向性の違い]。
だが、その結果、これまでの支持者の多くがその変化に対応出来ない様にも想える。
少なくとも、HR / HM (Hard Rock / Heavy Metal) プロパーの殆ど、つまり、日本で言うところの『バーン (Burrn!)』史観の追従者には厳しい作品になったのではないだろうか。

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一見、性別の判断に苦しむ、まるで少年の様な鋭い視線をこちらに向ける少女が被っているオブジェは、異端審問 (Inquisition) 華やかりし中世の時代に使用された拘束具 (Headpiece) のレプリカ。
米国オリジナル盤の初回プレス盤は、上に掲載した様に、赤色透明のプラケースに梱包されていて、あたかも、赤外線暗視装置 (Night Vision Device) で捕囚を撮影したかの様な印象を与える。

ものづくし(click in the world!)128. :
"STAIN" by LIVING COLOUR


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"STAIN" by LIVING COLOUR

1.
Go Away
(Calhoun, Glover, Reid, Wimbish)
2.
Ignorance Is Bliss
(Calhoun, Glover, Reid, Wimbish)
3.
Leave It Alone
(Glover, Wimbish, Reid)
4.
Bi
(Calhoun, Reid)
5.
Mind Your Own Business
(Reid)
6.
Auslander
(Calhoun, Glover, Reid, Wimbish)
7.
Never Satisfied
(Glover, Reid)
8.
Nothingness
(Calhoun)
Dedicated to Charles E. Calhoun
9.
Postman
(Reid)
10.
WTFF
(Betts, Calhoun, Glover, Reid, Wimbish)
11.
This Little Pig
(Calhoun, Glover, Reid, Wimbish)
12.
Hemp
(Reid, Fairley)
13.
Wall
(Reid, Wimbish, Calhoun, Glover)

Produced by Ron Saint Germain and Living Colour
Recorded and mixed by Ron Saint Germain

"WTFF" Produced by Andre Betts, Ron Saint Germain and Living Colour

Additional production on "Bi" by Andre Betts

Living Colour :
Corey Glover - vocals
Vernon Reid - guitar and guitar synthesizer
Doug Wimbish - bass and ambience
William Calhoun - drums and percussion

"Hemp" vocal - Andrew Fairley
Background vocals - Bernard Fowler
Background Vocal arrangement on "Never Satisfied" by Bernard Fowler and Corey Glover

Recorded at Bearsville Sound Studios and Long View Farm
Mixed at Right Track Recording

Mastering - Bob Ludwig at Masterdisk

Assistant Engineers - Thom Cadley, Fran Flannery, Jesse Henderson, Jen Monnar, Sean Overbey, Michael Reiter

Digital Transfers - Lolly Grodner

Programing - Vincent Gutman, Scott Pittinsky

Management - Jim Grant and Roger Cramer for Seriosly Inc.
A & R - Michael Caplan Product Manager : Dan Beck

Album Administration - Michael Nelvins, Nadine Hemy

Crew :
Sean Beresford - guitar
John Shawler - drums
David Rule - bass
Greg Drew - vocal wrangler

Art Direction : Carol Chen
Photography : Amy Guip
Boot Photo : Vernon Reid
Cover Model : Mouri Mbonika
Replica of Inquisition period headpiece by : David Weeks and Marty Sarandria
Cover type treatment : Rick Patrick

この後、この時代ならではの、膨大なアクノレッジメント・リスト (Acknowledgments) とサンクス・リスト (Special Thanks) が掲載されていますが、ここでは割愛させて頂きます。
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