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2013.05.07.09.05

じょーず

映画『ジョーズ (Jaws)』 [スティーヴン・スピルバーグ (Steven Spielberg) 監督作品 1975年制作] は、初公開時の最初の週末に観た。
これから書こうとしているのは、その当時のモノモノであって、作品論や映画論を書くつもりはありません [と、最初に断っておこうっと]。

ぢゃあ、仕切り直してあらためて。

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映画『ジョーズ (Jaws)』 [スティーヴン・スピルバーグ (Steven Spielberg) 監督作品 1975年制作] は、初公開時の最初の週末に観た。
上記掲載画像は、その当時の国内版ポスターである。

ぼくが中学生になって最初の夏、夏休み直前の事だと想う。
映画を観る時はいつも、封切られた最初の週末に観に行く事にしていた。3歳下の弟を連れて行ったり、独りで観に行ったりの、そんな習慣は、小学校高学年あたりには既に始まっていたから、いつもどおりの朝だった。
逆に、両親を含めての家族そろっての観劇の機会は、どんどんと喪われつつある時季なのである。

その時は独り、そんな時のいつもの様に、自転車に跨がって、その街繁華街の一角にある映画館が軒を連ねるその場所に向かう。ぼくの自転車で10数分、そこにある一番おおきな、洋画専門のロードーショー館が目的地だ。

いつもならば、開場の10数分早めに到着して、辺りに幾つも並んでいる映画館の、ポスターや看板を観ながらほっつき歩く処だけれども、その日はそうもいかなかった。何故ならば、そんな早くから、その映画館入り口に長い列が出来ているのだ。
大慌てで、乗ってきた自転車をその辺に路駐して、その最後尾につく。

開場するまでのしばらくの間、ぼくの後にずんずんとヒトが並び、自身の行動の正しさが証明された反面、置いてきたばかりの自転車の処遇が気になって仕様がなくなってしまう。
いままで、がらんとした空間でしかなかったぼくの目の前の歩道がどんどんと、自転車やらバイクやらで埋め尽くされて行くのだ。しかも、埋め尽くされていくだけではない。後から来たモノが自身の勝手にいい様に、既に出来上がっている列を崩し、移動させたり並べ直したりしているのだ。そうなると、ぼくの自転車も同じ様な憂目にあっているかもしれない。ここからは観えないけれども、映画館横の電柱すぐ脇に置いてあるからなのだ。あそこならば、目立つし、すぐに解錠して出て行けるだろうという算段だったのだけれども、もしかしたらそんな目算が裏目に出てしまっているかもしれない。

そんなやきもきを抱えているうちに開場した。
しばらくしてぼくの番が回ってきて、生徒手帳を提示して、学生料金を支払う。よく考えれば、これも初めての儀式かもしれない。中学入学を機に、こづかいは多少値上がりしたけれども、これではとても追いつかない。ああ、だから、自転車での行動が増えたのか。バス私鉄国鉄も全部、ぼくだけ春から値上がりしてしまったのだから。

入場して、席を確保して、しばらくすると、詰め襟の制服の一団が入ってきた。
どこかで観た顔ばかりだ。なんの事はない、同級生達なのだ。
ぼくに気づいて手を振ってくれるのはいいが、彼らの視線はとても冷たい。そして、振りかえすぼくの手の動きもとてもぎこちない。

と、言うのは私服でぼくは観に来ていたのだ。

中学校の規約上では、学区を離れる場合は、制服着用が原則だ。生徒手帳携行も必至だ。しかも、その上に念を入れて、繁華街へ出向く場合は、制服着用と手帳携行が絶対条件となっている。映画鑑賞は言うに及ばずだ。

だけれども、ぼくから観れば、そこで取り決められている条項は、ある意味で空文でしかなかった。

と、言うのは、冒頭に書いた様に、ひとりもしくは弟とふたりで、その界隈を出入りする事も、映画館に通う事も、入学以前の遥か昔から、常態化していたのである。学生料金で入場するには生徒手帳は必要だけれども、服装に関してはこれまでどおりの習慣で通していた。
親もなんも言わなかったし。

だから、ぼくの視点からすれば、彼らは親から離れて、初めて映画を観に来たんだなぁとも、あんなにつるんで来るなんてこどもだなぁとも、想ったのであった。
だけれども、彼らの方の認識はちょっと違っていて、ぼくを指差しながら「ふりょーふりょー」と言うのである。

でも、だからと言って、その日を境にして、こころを入れ替えて制服着用で行動したかと言うと、そうではない。相変わらずだった。
時折、繁華街で教師に遭遇してしまう場合もあったけれども、通り一遍の挨拶をすれば、それですんだ。社交辞令的に叱られる場合もない事もなかったけれども、それもあくまでも社交辞令だった。
「次からは」とか「今度来る時は」が、彼らのお決まりの台詞だった。

そういえば、自転車を乗り捨てる事自体も、今では違法駐車として取り締まられて、警備員に叱られるか、知らないうちに撤去されてしまうのだ。
のんびりとした時代だったのかもしれない。

次回は「」。

附記:
この映画は、映画のクライマックス・シーンで、この映画は場内から拍手が沸き起こった作品だ。偶々、ぼくが遭遇した、その映画館でのその上映の回だけの偶発的なモノだとばかりに想ったら、数年後に上京した後に出逢った、同世代の幾人かが同じ様な証言をしている。念の為に、ネットでみたら、同じ様な証言も見つけられる [例えば、こことかこことか]。
ホラー映画で悲鳴が思わず上がったり、コメディ映画で爆笑が思わず沸き起こるのは、過去にもその後にも何度も体験するのだけれども、この映画のあのシーンの拍手だけは、何故だか、同種のモノは体感した事がない。
映画鑑賞に不慣れな、おこちゃまばかりが観に来ていたからだろうか、と、数十年前に「ふりょーふりょー」と蔑まされた敵討ちを、こんなところでしてみたり、する。
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