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2008.01.15.19.23

ついんてーる

怪獣ツインテールは人類史上、過去三度、その特異な姿を地上に現わしている。
先ずは1971年、そして2006年と2007年である。
そして、僕が彼をリアルタイムで目撃したのが、1971年の『帰ってきたウルトラマン』での「二大怪獣東京を襲撃」の時である。

当時は、その奇異なヴィジュアルにも拘らず、怪獣グドンの飼料であり。海老に似て美味しいという情報に驚いたものであるが、冷静に考えれば、怪獣が怪獣を食べるのは、少なくとも、グドンツインテールという関係性が初めてではない。ラドンに対してのメガヌロンギロンに対しての宇宙ギャオス。各々が捕食者(=前者)に対する被食者(=後者)となっている。
尤もギロン宇宙ギャオスの場合は、とりあへず宇宙ギャオスを喰ってはみたもののあまりの臭ささ / 不味さで辟易してしまうギロンではあるのだけれども。

ところで、ここで書き連ねたいのは、食材としてのツインテールの魅力ではなくて、怪獣としての造型美についてです。


頭頂部から繋がる胸部に一対の主脚があり、その主脚で身体全体を支えて二足歩行する。そして、腹部から尾部という全長の半分以上を占める部位を上方に掲げる。すなわち、あたかも、逆立ちをしているかの様な体勢となり、外敵への攻撃及び防御は、その生物の名称ともなった、ヴィジュアル的にも特徴ある、尾部から生えた一対の触手(つまり二本の尾=Twin Tail)が行う。
と、云う様な肢体イメージはどこから来たのだろうか? 地を這う顔と、天に聳える二本の尾という、生物的に観て、転倒したイメージの源泉は、一体、どこにあるのだろうか?と。

単純に考えると、海老Shrimp)とかShachihoko)のイメージになる。
特に、グドンの飼料であるという設定を裏付ける"海老に似て美味しい"という件を読めば、成る程と首肯せざるを得ない。その容姿からも、節足動物Arthropoda)肢様の、中空に掲げられた腹部から尾部にかけての体節を観ると、海老Shrimp)のイメージがさらに強まる。

しかし、ぼくは思うのだ。

彼の半覚醒的な、眠そうな半開きになった一対の両瞳と、大きく裂けた厚ぼったい唇をみるにつけ、彼と同じ顔を持った怪獣を。
それは、『ウルトラマン』での「噴煙突破せよ」に登場したケムラーである。ケムラーは、四足歩行の怪獣ではあるのだけれども、彼の唯一の武器といってよい毒ガスを噴霧する尾は、外敵を威嚇する為に天高く掲げられていた
個人的には、ツインテールケムラーは、なんらかの種としての近縁関係があるのではないかと睨んでいるのですが、果たして。
そして、ケムラー"外敵を威嚇する為に天高く掲げられていた"尾は、海老Shrimp)やShachihoko)よりも、Scorpion)を想像させます。

ところで、彼が初登場した1971年頃は、彼と同様の、"地を這う顔"のイメージが、当時の僕達の領域、つまりTVや雑誌メディアに何度か登場した時期でもあります。
ひとつは『スペクトルマン』での「地震東京を襲う!!」に登場した怪獣モグネチュードン土龍Mole)とCatfish)のキマイラChimera)的な怪獣で、土龍Mole)を主体にして観ればその下肢がCatfish)の上半身と化し、その逆に、Catfish)を主体にして観ればその下肢が土龍Mole)の上半身と化す、一体で二度美味しいというか、地震のシンボリズム化を謀って、土龍Mole)とCatfish)の合体怪獣という形態に凝着させたらこうなったという、まぁ、そういう怪獣であります(作劇的には、物語発端では二匹の異なる怪獣が出没するという印象を観るものに与える)。

もうひとつは、『週刊少年サンデー』連載時における『ゲゲゲの鬼太郎』での「まぼろしの汽車」に出現した吸血鬼ピー
東南アジア系の神獣の様な顔だちに図太くて短い二本脚が生えていて、Catfish)様の黒い軟体質な胴体が伸びている。その胴体の先端は腕になっていて、そのお陰で人間振りのコミュニケーションを可能としている。
まぼろしの汽車」という物語では、その吸血鬼ピーの私物であったシルクハットをねずみ男が入手してしまったところから、事件が起きる訳だけれども、物語そのものの展開よりも、水木しげるは、この様な吸血鬼ピーの姿態のアイデアを一体、どこから持って来たのだろうか?
そこで、既存の東南アジアに生息する妖怪からのイメージの転用なのだろうか?と思い、検索してみると、「ピー信仰」というものに辿り着いた(この「ピー信仰」と吸血鬼ピーの関係性、特に形態に関しては不明です)。

こうやって、ツインテールからモグネチュードン、そして吸血鬼ピーに思いを馳せてみると、それらのイメージの源泉は、海老Shrimp)やShachihoko)やScorpion)といった生物的な形態というよりも、それらからは無縁のもの、人間自身が持つ独自の想像力 / 空想癖から産み出されているのではないか、と思ったりします。

と、ここまで書いてきたら、もうひとつのツインテールについて書くスペースがなくなってしまいました。
古くは、月野うさぎあたりから惣流・アスカ・ラングレーを経て、初音ミクへと至る、もうひとつのツインテールの系譜は、どこかで誰かが書いてくれる事を祈って、ここで擱筆します。
かつて、『マジカル・ヘアー 髪のエロスとコスモス』で、ブロンドBlonde Hair)とブリュネットBrunette Hair)の神話を繙いた、伊藤俊治あたりに、その分析を期待したいところですが。

次回は「」。
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