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2008.01.13.09.43

これもまた悪い夢の続き 07.


"Here Comes The Flood"
by
Peter Gabriel,
and his best performance of this song is included in the album
"Exposure"
by
Robert Fripp
.

こんな夢を観た。

五月晴れの爽やかな風が吹いている午後の事である。だけれども、その風が凪んでしまうと、額に汗が滲む、春というよりも夏の声が聴こえてそうな、そんな日曜日である。天気予報では、もうまもなく日本列島のはずれでの、梅雨入りの一報が飛び込んできそうな按配な、そんな晴天の日、休日の午後である。
僕は、この週に来日したばかりの、シモーヌ・ド・ボーヴォワールSimone de Beauvoir)に会う事になっている。折しも、今日は、彼女の講演会が開催されるので、それに出向いているのだ。

講演会は、街中からちょっと離れた、小高い丘にある文化センターで開催される事となっている。電車とバスを乗り継いで、ようやっと、その文化センターが佇んでいる一角、市民公園の入口に辿り着いた。
この風と陽射しの中で、思い思いの休日を楽しもうと、多くの人々がこの公園で気侭な時を過ごしている。こんな日に、汗をかきかき、暗い文化センターに乗り込んで、高邁な思想の噴流を受け止めなければならない、己の身の不運を詛いながら、その文化センターの入り口に辿り着く。
シモーヌ・ド・ボーヴォワールSimone de Beauvoir)女史も、講演会を中断して、ピクニックへくり出そうってな気概は、持っていないかなぁ」
ところで、先の文章で"暗い文化センター"てな表現をしたけれども、実際のところは、それとは正反対で、南に大きく開かれた窓が、全面に初夏の陽射しを受け止めている、明るい建物である。それもその筈で、先日完成したばかりの、今日の女史の公演は、その柿落としイベントの一環なのである。つまり、今日は、この文化センターで様々な催しものが開催される運びとなっているのだ。

と、くだくだしく説明したのは、会場入口のソファに見慣れた人物が腰かけているのを発見したからだ。音楽評論家のPである。巨体を投げ出して、額から流れ出る汗をモノともせずに、ペットボトルを舐め廻している。
*****を観に来たのか?」
ある有名バンドの名前を放ったPに頸を振って、「あっちの小さい方...」と、小ホールの入場口を指し示す。
彼は、大ホールに用があるようだ。
「取材か?」と問い糺す僕の質問が終らない内に、「明日、インタヴューでね」と応えてくれた。そして、彼は僕が抱えている女史の原著を眺めやって、興味なさそうに「そっちも大変なんだな」と、独り言の様にごちた。
「座っていいのかな?」
「あぁ、その代わり、しばらくここにいてくれよ。ちょっと、用足してくる」
返事の代わりに彼が立ち上がったその席に、身を投げ出す。
小走りで駆け出す前に、Pは次の言葉を放り出すのを忘れてはいなかった。「Nをみつけたら捕まえておいてくれ、待ち合わせてんだ」
「あぁ」と生返事を今回はしたものの、Nという人物には会った事はない。まぁ、わかるだろうと、タカを括っている。それに、俺が独りでいるこの短い間に、どうせ、来やしないだろう....。

Pの生暖かい体温が残っているソファに腰掛けて、人込みの蠢きを観るともなく観ていると、ドレッドヘアを束ねてラスタ・カラーで全身を包み込んだ(with Dreadlocks and in Rasta Colors)、みずしらずの女性になにやら話し掛けられたのだけれども、その内容は憶えていない。彼女の、脈絡のない話に根負けして、ホウホウのていで、そこを逃げ出してしまう。

逃げ出したおかげで僕は、迷子になって、トイレに駆け込もむのだけれども、蒼い大理石で覆われたトイレでは、蛇口という蛇口から、水が溢れだしていて、子供達がおおはしゃぎしている。

その模様を眺めながら、もうすぐこの小高い丘も水没するのだなと思って、溢れている水に濡れない様に、注意深く、小用を足した。

附記:この夢の中で、僕はシモーヌ・ド・ボーヴォワールSimone de Beauvoir)の女史の原著を抱えている事になっているのだけれども、残念ながらこの現実世界では、「人は女に生まれるのではない、女になるのだOn ne nait pas femme: on le devient.)」という名言で知られる、彼女の代名詞ともなっている『第二の性』の翻訳すら読んでいません。
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