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2013.03.29.12.01

The Lady Don't Mind

さっきからずっと考えているのは、なぜこの3人なのか、という事だった。

尋ねられる事は総て尋ねられたであろうし、答えられる事は総て答えた筈なのだ。
彼らにとってはもう既にぼく達は用なしで、ぼく達もいつまでもこんな居心地の悪さにかまっていたくはない。

だけれども、こちらに向かっている両親達に、逢わない訳にはいかないだろう。
そして、これまで尋ねられるが侭に語ってしまった事をもう一度、反芻しなければならないのだ。
彼らの為に。

彼女はまだ泣いている。
その脇で、そいつは慰めようと努めている。

ぼくが出来る事はなにもない。
なにもみていないからだ。

ぼくが知っているのは、いまとおんなじ。
泣いている彼女と、それを慰めようとしているそいつ。
ただ、でくの坊の様に、それだけを繰り返しているふたりを見守るだけなのだ。

そうして、そのふたりの代わりに、ふたりが体験した一部始終を語るのが、いまのぼくの使命となっている。
だから、ここに連れてこられてきた訳だし、ここで両親を待っていなければならないのだ。

それはいい。しようがない。それが演ずべき役割だもの。
作演出を手がけたまんま、舞台から消えた主演が遺したステージだもの。

だけれども、やっぱり割り切れないのは、この3人が選ばれたという事。

いや、この3人であっても構わない。
むしろ、納得がいかないのは、何故、ぼくじゃあないんだ、という事さ。

慰めるのは、そいつじゃあない。
ぼくが彼女のそばにいるべきだったんだ。

わかったよ。
それがきみの狙いだって。
そうやって、ぼくをひきずりおろしたいんだろう。

あたりが騒がしくなってきた。
たぶん、きみの両親が到着したのだ。
きみに逢いに。

[the text inspired from the song "The Lady Don't Mind" for the album "Little Creatures" by Talking Heads]


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