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2008.01.03.12.39

これもまた悪い夢の続き 06.


"Lola Rennt" directed by Tom Tykwer

こんな夢を観た。

出社早々、今日はオフィスではなくて別の場所に行く筈だった事に気づく。直行すればよかったのだ。先程、朝の挨拶をすませたばかりの同僚達に、照れ隠しのにたにた笑いを向けながら、「いってきます」の声を次から次へと投げかけて、オフィスを離れる。
このヒトには「いってきます」ではなくて「おはようございます」でよかったんだ、今朝初めて会うんだからね、僕のほんのちょっとした失態なんか気づいていない筈だ、とか独り言をぶつくさしながら、廊下を疾り、エレベータに乗り込んで、一階ホールを駆け抜けて、最寄り駅へと急ぐ。
寒い朝だけれども、全速力で駆け出したその上に、屋内は暖房が必要以上に利いているものだから、もう既に汗びっしょりだ。
そして、疾っている間に、何か忘れ物をしている様な気がしているのだが、引き返している暇はない。現地へと向っている間に、思い出した頃合に、ファックスでもメールでもしてもらえばいいのだし、現金も多少は余分に持っているから、モノによっては途中で調達する事だって出来るだろう、とアバウトな断定をして、この問題は深く考えない事にする。とにかくオン・タイム、最悪でもイン・タイムで必着なのだ。
ところでこんな風に、駅へと急いでいる途中にいつのまにか僕が今、疾っている処は、勤めている会社近辺ではなくて、昔懐かしい風景へと変わっている。小学校にもあがる前の幼児期を過ごした街並みである。
昔懐かしい街並には、昔懐かしい人々が相変わらずいて、疾っている僕をニコニコしながらも、「そんなに急いで転ぶんぢゃないよ」なんて声をかけてくれる。そんな人々に僕は「いってきまあぁす」と元気良く挨拶しているのだけれども、ここは「おはようございまあぁす」の出番ぢゃあないだろうかと考えている。
そんなどうでもいいことを考えている間に、いつのまにか僕は、自転車に跨がっている。そして、その自転車をこいでいる内に、今日、学校の授業で使う筈の体操着を鞄に突っ込んでくるのを忘れている事に、気づいてしまう。
教室の己のロッカーに予備があっただろうか、この際、隣のクラスの級友に借り出す事が出来るだろうかと考えながらも、急に発熱して保健室で寝込んでもいいよねなんて、さらにアバウトな決断を下して、この問題は深くは考えない事にする。今日の体育の授業は、実技試験だから休む訳にはいかないなんて事も、この際、きれいさっぱり忘れてしまう事にする。とにかく、今日も僕は、遅刻する訳にはいかないのだ。
そう云えば、さっき書き忘れてしまっていたのだけれども、オフィスを出た時は、真冬の早朝だった筈が、いつのまにか新緑の初夏の頃合になっている。
夢というものは都合のよいもので、汗だくにならない様に、黒い学生服は自転車に乗る前に脱いでいて、前輪のカゴに鞄と一緒に突っ込んである。校則では禁止事項だけれども、近場で着ちまえば解りっこないから、これでいいのだ。
なぜ、こんな事を今さら、ここで言及したかというと、ここで、突風が吹いて、学生服が吹き飛ばされるからである。
しかも、その吹き飛ばされた学生服は、側溝の上に落っこちて、ものの見事に溝水に浸されてしまうのである。
溝水に濡れて、臭い匂いを放っている学生服を側溝から引き揚げながら、ここで僕は真剣に悩む。

「...今、引き返して間に合うのだろうか...?」

既に太陽は、頭の真上から強い陽射しを浴びせかけている。
冷静に考えれば、距離的にはちょうどオフィスと学校の中間地点で、今、引き返せば、この"事件"現場に辿り着くまでに、これまでと同じ時間がかかってしまう。しかし、引き返せば体操着と、オフィスを出る時に気づいてしまった"忘れ物(でも、それがなんだか思い出せない)"をピックアップ出来る。
よろよろともと来た途を引き返そうとした瞬間、とっても、嫌な事を思い出す。この戻り道のコースは、上り坂基調なのだ。だから、ここは己の欲求に素直に従って再び、自転車の向きを変えて、学校を目指し始める。
この臭い制服の匂いを級友に詰られ嘲られるのは、この際、我慢しよう。この匂いのお陰で、最近仲良くなり始めたあの娘に嫌われたって仕方がないや。どうせ、その程度でヒトの好き嫌いが決まるのならば、対したオンナぢゃないさ。とにかく、体操着はロッカーにある筈だし、隣のクラスのFにはこの間の貸しがあるから奴から借りれるだろう、急な発熱もこの際あり!ってことで。
それよりも、あの"忘れ物(でも、未だにそれがなんだか思い出せない)"は、現地調達可能なんだろうな、そっちの方が問題だぜと、いろんな事が頭の中を駆け巡りながらも、自転車をこぎ出す。
先程、中天から射していた真夏の陽射しも傾いて最早、晩秋の趣きである。街中を離れたここで、右手にみえる高速道路を何台も何台もトラックが疾り抜け、樹々も彩き始めている。
乾き始めた汗で身体に寒気を感じながらも、自転車にまたがって、学校へとこぎ出した。

こちらも嫌な、上り坂である。

images
"Wheat Field with Crows"
painted by Vincent Van Gogh
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