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2013.01.13.13.45

これもまた悪い夢の続き 51.

こんな夢をみた。

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"Tonight's The Night" from the album "Tonight's The Night" by Neil Young and Crazy Horse

否、夢ではないのかもしれない。
それを何度もみる。何度も体感する。何度もうなされる。

最初は、憶えている限りの最初は、祖父の死だった。
なにものかが夜、降りてきて、なぜ、ここにいる、なぜ、こっちにこない、なぜ、おまえだけ独りなのだと、なじられる。
なにかを言いかえしたいのだけれども、ぼくには反論する材料も術もない。そいつになじられている理由もわからず、ただ、呆然としているだけだ。

翌朝、祖父の死を知った。
とおくの、ぼくの生まれ故郷よりもとおくの土地で、彼が生まれ育ったその土地で、その生を全うしていた。彼とは、一度も逢っていない。少なくとも、物心ついてからのぼくは。

それ以来、時折、夢をみる。
だれかがどこかで死ぬ間際の夢を。

その際に、彼もしくは彼女の体感と感情だけがぼくをとらえ、揺り動かし続ける。
その死の現場で、実際になにがあり、彼もしくは彼女になにがおこっているのか、その説明は一切にない。
激しい感情の揺れ動きと、それに裏付けられた肉体の痛みばかりが、一夜、ぼくを襲うのだ。

時には、ふたり以上の激情と激動が襲う時もある。あきらかに一方は他方に怯え怖れていて、その優越感だけが他方にある。その総てだ。
それを同時に体験するのは、天使と悪魔が囁きかける決断の間際よりも、苦しい。

しかもぼくは、眠ってはいないのだ。覚醒めた状態でその渦中にあって、どこかのだれかの苦しみやら哀しみやら憎しみやら傷みやらをしらされる。

だから、たまらなくなってぼくは、これが夢であるようにと祈りながら、みずを呑み、酒を浴び、錠剤を噛み砕くのだ。
そうして、ますます、夢と現つが交錯し、ぼく自身が何者であるのかさえも、次第に解らなくなってゆく。

いつしか、その死に逝くものがぼくとなり、ぼく自身は死すべきものの身替わりとなっているのかも知れないのだ。

まるで。あたかも。
産まれたばかりに死なねばならない嬰児と、その骨を咬む父親と、その咎を責めてふたりを撃ち殺す若い従卒と、その三人の役割を同時に演じているかの様だ。
そこはきっと、もう何年も雨も降らずに、乾いた地の上を、黒い土煙が舞っているのに違いない。
噫、呆けた洪笑の渦も響くだろう。

だから彼らの代わりに乾いたぼくは、また、水を呑み、酒を浴び、錠剤を噛み砕くのだ。
もう、こんな夢は金輪際だ。もっと、静かな夢をみせてくれ。もっと、安らかな死をみせてくれ、と。

冬の夜は永い。救急車両の駆け抜ける音は、遥か向こうにある、歓楽街の灯りと怒号を、ぼくの許まで運び込む。
そうしてまた、その片隅で、濡れた身体で凍え死にそうな老婆の夢を、ぼくはみるのだ。

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"Cold Turkey" from the album "Shaved Fish" by John Lennon feat. The Plastic Ono Band
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