2023.01.25.08.39
児はながれ彼女の父母とみるテレビ
卒辞としさう曲線をたわめし日
ご褒びにくつ下ひとつかかげたり
くわん獄のぬけ穴しりし息子だけに
2023.01.25.08.39
呪われし妻つれ添ふて海にいる
児はながれ彼女の父母とみるテレビ 卒辞としさう曲線をたわめし日 ご褒びにくつ下ひとつかかげたり くわん獄のぬけ穴しりし息子だけに |
2023.01.18.08.12
覗きあなきくの隣りにほくろかな
内緒だよだまつて先に逝つちまおふ せい水でかををあらつてで直して かはらけの豆をつまみてひま潰す 瘤つきにみ惚れたるゆゑみみの穴 |
2023.01.11.08.38
くぎぬかばかかとに孔のあゐてをり
鉦たたくしこ女が神の扉たたづみて なきむしがひと殺したとけふも哭く いつもの席みつつはなれて憎いひと 帰省ちゆう年にいちどの喧嘩のひ |
2023.01.04.07.25
傾城のまみゑ繋いでひげ描ゐて
やみ雲にほほ擦りせしが間男の しん任がしゃ窓にけつ載せご挨拶 みを焦がし悪魔のくせにどさ周り 教官の戀のさやあてかくし撮り |
2022.12.28.08.03
いろもかねも博士すべてを攫つてく
なぬか後めつぽう老けてはは還ゑる 涙めは和解のきろくを誤解して をのが咎なすりつけあふ仲のよさ 快癒してそのひそのままくびを吊る |
2022.12.21.08.35
ふと腿にしつとり馴染むつち踏まず
盆すぎてなみま漂ふさい女かな えり首に赤児さんにんぶら下げて 鼻うたはすてたをんなのかね借りに 債鬼きて晦日のあけてに夜と啼く |
2022.12.14.08.06
棚ぼたのやうにで遭えるび女もあり
幇間はひとりカメラ目線で悦にゐる せい春は匂ふがごとく腋のした ちぶさよりみあぐるばかりの牛蒡のね なが葱と嬰ぢせ負へば担へ銃 |
2022.12.07.08.07
感化院やつときたるが義理のちち
越境し葡萄ひとつぶ乞ふてをり 遺品の画布にみたこともない線 いろ違い糞尿みせて賭けにかち 稚児の笑むにらむをとこの髭をみて |
2022.11.30.07.32
みを寄せば愛しのいろに売られたり
戀ふみの主をたがゑてまち惚け 栓ひとつわすれてあつさりあの世かな 夢みてふぎ眼のむかふにあるまこと 船窓に道化のめんがみはる夜 |
2022.11.23.08.12
呪詛ののち罪ほろぼしに水掻きを
ふ確かな戀のゆくへは蜜柑はこ 死びじんの臍をはふたり蝸牛 ぼくの知る痣のあかきがひだり腿 姪つこの鼻をのやふな操かな |